トカゲ太郎のワンダー・ワールド
動物と人間 歴史のなかで
English

人間は太古の時代から動物を神秘的なもの、霊威的なものとみなして不思議な魅力や畏怖を感じてきた。その証拠として生活の中に様々な動物たちの意匠が現れている。今回はその一端を世界中の遺物の中に見てみた。



ライオン頭部

これは4世紀にローマ帝国領内にあったエフェソス(現在はトルコ)で作られた。

(大英博物館)      

ライオンの口から水が排出された大理石製できた樋(とい)だ。



モロスス犬

現在のマスティフに近い犬種だが、絶滅してしまった。激しい気性で番犬だった。これは紀元前2世紀ごろギリシャで作られたブロンズ像のコピー。
2世紀にローマで複製された大理石像で、リアルな表現で知られるギリシャのヘレニズム文化を今に伝えている。

(大英博物館)

ヒツジ頭部

イオニア式柱頭の装飾。1世紀から2世紀にローマで作られた。大理石の柱の上部に施された彫刻が渦巻状であることがイオニア式の特徴だ。羊の角が渦巻になっている。

(大英博物館)


ライオンとシカ

エトルリア人の石棺、紀元前4世紀から前3世紀ごろのもの。エトルリア人は紀元前9世紀から前1世紀ごろまでイタリア半島に存在した民族。女性の頭部で翼をもつ小さな彫刻はエトルリアの女神ラサス。

同じころ西洋だけでなく東洋でも多くの動物の造形が見られる。

(大英博物館)


雄ジカ

ブロンズ製、モンゴルで発見された。紀元前5世紀から前3世紀ごろのもので、匈奴が国となる(紀元前209年)前にすでにブロンズ像がたくさん作られていた。

(ロイヤル・オンタリオ博物館)

動物装飾

楽園と呼ばれるランプの土台。紀元前3世紀から後3世紀の前漢から後漢時代にかけて制作されたもの。陶製のシカやゾウなどの動物は直接職人の手で作られている。

(ロイヤル・オンタリオ博物館)


雄牛、犬、豚、羊と囲い

すべて陶製で、動物装飾と同じ時期に作られた。漢時代には灌漑技術など農業の革新があった。生産制が上がって豊かになった大地主は、自らの墓にこうした家畜像を埋葬した。

(ロイヤル・オンタリオ博物館)



錞于(じゅんう)と呼ばれるブロンズ製の古代中国の楽器。紀元前5世紀から前3世紀ごろの戦国期に作られた。虎の部分にひもを通してつるし、太鼓に向けることで音を振動させることができた。

(東京国立博物館)


鳳凰と羊

揺銭樹(ようせんじゅ)と呼ばれるブロンズ製の架空の樹で、1世紀から2世紀の後漢時代に作られた。鳳凰や龍、仙人などが枝の中にいる神仙の世界を表している。

(東京国立博物館)


この陶製の馬は加彩馬と呼ばれ、紀元前2世紀から前1世紀の前漢時代に作られた。本来は騎馬像だが、人物や馬具が欠けている。前漢の王たちは墓にこれらの騎馬像を共に埋葬した。

(東京国立博物館)

山羊頭部

紀元前6世紀から前5世紀のアケメネス朝ペルシャで作られた、リュトンと呼ばれるお酒を入れる器。土製で鼻先から注ぎ込むようになっている。

(東京国立博物館)


最後に偉大な芸術家も動物たちの神秘に魅せられていた一例。




ミケランジェロによって描かれた馬の解剖図。
ミケランジェロは実際に人体を解剖して筋肉や骨、神経などの構造や動きを研究した。さらに様々な動物に関しても同様に解剖研究を行っていた。その中でも馬は特別だったようだ。

(カーサ・ブオナローティ)