トカゲ太郎のワンダー・ワールド
世界の神話・民話
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世界中の神話や民話の中にはさまざまな動物が登場する。 とても恐ろしい姿のものやずるがしこいもの、親切でやさしいものなど描かれ方もそれぞれ違う。 なかには想像上の動物もいるけど、その体の部分はだいたい実際の動物をもとにしている。 そして、神話や民話の中で活躍する動物は不思議な力をもっていて、未知の世界へ導いてくれる。


 
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ハヌマーン    - インドの猿神 -

ハヌマーン

ハヌマーンはヒンドゥー教の神であり、叙事詩ラーマーヤナに登場する。ハヌマーンは、ランカの王ラヴァナによってさらわれたラーマ王子の妻シータを奪還するため、王子とともに旅をする。そして、ラーマ王子とハヌマーンは悪の王ラヴァナを打ち破り、無事シータを奪還することに成功する。ハヌマーンは、自由自在に自分の大きさを変えることができ、高い山のような身体に変身することもできる。ラーマーヤナでは、ラーマ王子の弟ラクシュマの命を救うため、薬草が生える巨大な山をまるごと運んだ。”ハヌマーン”という名前は、顎の骨を持つもの、という意味を持っている。ハヌマーンが果物と間違えて太陽を食べようとした時、軍神インドラが雷を投げつけて彼の顎を砕いたことに由来する。ハヌマーンは、学問の神でもある。


 

最強の怪物テューポーン

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テューポーン
最初の戦いで、テューポーンはゼウスの武器である雷(いかずち)も奪った。

テューポーンは巨大な怪物で、古代ギリシャの神々の一人でもある。彼はガイア(大地の神)とタルタロス(地底の神)の間に生まれた。ギリシャ神話の中で彼は百の龍の頭を持っているが、一方ギリシャの黒絵式壺には人間の頭に翼のある身体を持ち、くねくねとした数本の脚をもった姿で描かれている。

ガイアはテューポーンを地上征服のためにゼウスのもとに送った。ゼウスは彼とオリュンポスの山で戦った。テューポーンは口から炎を吐く強力な巨大怪獣だった。初戦でゼウスは永遠の命をもたらす腱を奪われてテューポーンに捕まってしまう。ヘルメスとパンがゼウスを救うためテューポーン洞穴に行き、ゼウスの腱を奪還することに成功した。第二戦目にしてようやくゼウスはテューポーンに勝利し、彼をエトナ山の火口に突き落とした。

テューポーンは妻のエキディナとの間に怪物のケルベロスやヒドラといった子どもたちをもった。そして、彼の伝説は続く・・・。


 
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フクロウの伝説

フクロウ

フクロウは神秘的な鳥として多くの文化の中で語り継がれている。日本の先住民族であるアイヌの人々はシマフクロウを神として崇め、夜に村中を飛び回り魔物から守ってくれるとしている。一方で、アメリカ先住民の人々はフクロウを死の象徴と見ている。ある部族ではフクロウが亡霊と結びついていると考えている。しかし、トリンギット族やナバホ族などは、フクロウを部族の象徴動物としている。

ギリシャの智恵の女神アテナはいつもフクロウを伴っている。また、古代のギリシャ通貨にはアテナの顔が表にフクロウが裏に刻まれている。フクロウはまた都市アテネを守護すると考えられている。アテネ軍の上をフクロウが飛翔したならば、それは勝利の予兆として歓迎された。

“バーニーの浮彫り”と呼ばれるメソポタミアのテラコッタ製彫刻に二羽のフクロウがいる。この1800年前の浮彫りの真ん中には神秘的な女性が彫られていて、シュメール人にとって地下世界の支配者である悪霊リリスではないかと考えられている。

アフリカやオーストラリア先住民アボリジニの人々にとってフクロウは、御祓い師の仲間であり、神からの使者でもあるという。

フクロウは異常なほど大きな眼をもっていて、暗闇の中でも獲物を見つけ出して捕まえることができる。フクロウはまた、特別な耳をもっていて見えない獲物でのその位置を正確に把握して捕獲することができる。フクロウはまさに闇の支配者だ。


 

ヘビがやって来た

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ヘビ

ドイツやスイスでは馬屋や納屋にヘビが棲みつくことを喜ぶ。ヘビは雷や火事などの危険を知らせてくれ、ネズミの被害を抑えてくれると信じられているからだ。お礼にミルクに浸したパンをヘビに供える。

ドイツ南部のバイエルン地方では18紀までヤマカガシを飼う家庭があった。もしもヘビが供えた食べ物を食べたなら、幸運が約束され病人は回復するとされた。反対に偶然にもヘビを殺してしまったら未来に不運が起こるかもしれないとされた。ポーランドとチェコの一部地域にまたがるシュレジア地方ではつがいのヘビを家の守り神として信仰していた。



 
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北の怪物  - クラーケン -

クラーケン

伝説の怪獣クラーケンはノルウェーの沿岸近く、またはグリーンランド沖に生息している。

ノルウェーにあるベルゲン市のエリック・ポントピダン司教が、その著書「ノルウェーの自然史」(1752~53年)の中で、クラーケンについて述べている。その本によると、クラーケンは小島に匹敵するほどの巨大などうぶつであるらしい。クラーケン自体が船や船員にとって死を意味する恐ろしい生物であることに疑問の余地はないものの、本当の災害をもたらすのはクラーケンの巻き起こす巨大な渦だ。ポントピダン司祭はまた、幼いクラーケンの死がいが浜に打ち上げられたとしている。

クラーケンはしばしば巨大なタコやイカとして描かれるが、カニのような姿をしているという説もある。一度でもその姿を見たものは生き残れる確率が非常に低いため、クラーケンを実際に目撃した人はそう多くはない。しかしクラーケンの生態を、普段は海底に暮らしていて、周りを泳ぐ魚を捕まえて食べていると説明する人もいる。

ちなみにタコは日本料理には欠かせない食材だけど、そのためか数えきれないほどのタコに関する民話が日本では語り継がれている。18世紀のひとつの伝説によれば、大ダコが牛を毎晩盗んで食べるだけでなく、巨大な蛇まで海に引きずりこんでしまったという。もしかするとアジアのクラーケンかもしれない。



 

頭が虎で体は魚  - 鯱鉾 -

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鯱鉾

鯱(シャチ)はマイルカの仲間の海洋性ほ乳類。ただ、鯱という言葉には頭が虎で身体が背中に棘のある魚という想像上の動物の意味も含まれている。1712年に日本で出版された和漢三才図会(今の百科事典にあたる)の中に鯱は登場する。おそらく古代中国の地理書兼神話「山海経」がその伝説の起源になっている。

さて、その鯱の形をした装飾用の彫像が鯱鉾で、日本のお寺やお城の屋根上に置かれている。その理由は鯱が火事の際に水を噴き出して火を消してくれるからだ。

戦国時代の大名、織田信長が初めて鯱を自分の城の上に飾ったといわれている。その後、多くの日本のお城の屋根は鯱鉾で飾られた。人気のある鯱鉾のひとつは全身を金箔で覆われた金の鯱鉾だ。



 
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神様を救ったねずみ  - 大黒天 -

大黒天

大黒天は日本の伝説に登場する七福神のうちの一人。大黒の由来は、偉大な闇を意味するマハーカーラと呼ばれるヒンドゥー教の神様だ。また、ヒンドゥー教によればマハーカーラは破壊の神シヴァの別名であるともいわれている。ところが、日本ではその性格は一変し、財や豊穣、福の神として信仰を集めている。さらに神道の神々の一人、大国主命と結びつけられるようになった。

ある時大黒天はスサノオの娘に恋をしたが、スサノオは神道の神々の中でもその野蛮な行為で有名だった。そのためスサノオは大黒天に三つの試練を与えた。はじめに多くの毒蛇がとぐろを巻く家で一晩過ごさなければならなかった。次の夜はムカデとスズメバチでいっぱいの部屋で過ごすはめになった。それでも大黒天は娘の助けを借りてなんとか二つの試練を切り抜けた。最後の試練は草原で失われた矢を探すことだったが、スサノオは草原に火を放ち大黒天を殺そうとした。その時、一匹のネズミが現れて大黒天を地下の穴へと案内した。穴の中で炎が過ぎ去るのを待っている間にネズミは探していた矢も運んで来てくれた。その時からネズミは大黒天の化身となった。



 

死と復活  - ハゲワシ -

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アレスとハゲワシ

アレスはギリシャ神話の神、ローマではマルスと呼ばれていた。 アレスの象徴は楯と槍、犬そして、ハゲワシ。 ギリシャ神話の中でアレスの評判はあまりよくない。 彼の粗暴で冷酷、破壊的な性格が災いしている。 ハゲワシは死体をあさるためしばしば死と結びつけられる。 それらのハゲワシの印象がおそらく戦争と結びついているのかもしれない。

一方、ローマ人はマルスが平和をもたらすとともに農業を守護する神としてあがめていた。 古代エジプトにおいて、ハゲワシは多産と復活の象徴とされている。



 
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天地創造に現れた大亀  - クールマ -

クールマ

ヴィシュヌは、ヒンドゥー教の神。 シヴァと並び称される最高神としての地位にある。

太陽の光り輝く力が神となって現れたのがヴィシュヌであって、空や海など無限に広がる空間の象徴でもある。 ヴィシュヌの身体が青いのはこのためだろうと考えらえている。 またヴィシュヌは、右手にチャクラ(円状の武器、創造と破壊を表す)、こん棒(知力の象徴)、左手にホラ貝(存在の根源)、蓮華の花(太陽)をそれぞれもっている。

さて、ヴシュヌは10の別の姿をもっていて、それらはアヴァターラと呼ばれている。 伝説によると第一の化身は魚で、大洪水の時に人類を救った。 また、ヒンドゥー教の天地創造の物語である「乳海撹拌」の時に現れたのが、ヴィシュヌの第二の化身・大亀クールマだ。 その中でクールマはマンダラ山を支えることで神々と魔族が海をかき混ぜ世界を創造することを助けた。



 

ペリカンのおはなし

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ペリカン

キリスト教にまつわる神話によると、ペリカンは献身と復活の象徴とされている。 その話し中で、エサ不足が深刻になりヒナたちに食べ物をまったく持ち帰ることができないとき、母ペリカンは自らの血をヒナたちに与えるとされている。

また、エジプトにもペリカンにまつわるこんな言い伝えがある。 あるペリカンにヒナが生まれ、母ペリカンはこのヒナたちを大切に育てた。 ヒナたちが大きく成長したある日、なんとヒナたちは母ペリカンの顔を激しくつついた。 やむを得ず母ペリカンもつつき返した結果、ヒナたちを殺してしまったのだ。 わが子を死なせたことを深く悔んだ母ペリカンは自分のわき腹を切り開いて、その血を死んだわが子にふりそそいだ。 すると、ヒナたちはみるみるうちに甦ったのである。



 
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地獄の刑務官長様    牛頭馬頭(ごずめず)

牛頭馬頭(ごずめず)

牛頭馬頭(ごずめず)は、中国や日本の神話や民話に登場する。 地獄の看守たちのリーダーで、死人の魂を地獄の入口まで導く。 地獄の看守はオニと呼ばれる。 このオニという言葉は日本語で悪魔または羅刹(らせつ)という意味をもつ。

また牛頭馬頭を閻魔(えんま)の使用人として伝えている民話もある。 閻魔とは地獄の支配者であり、死者の魂が地獄へ落ちるのかそれとも天国へ昇るのかの判決を下す冥界の王だ。

牛頭馬頭がなぜ牛の頭と馬の顔をしているのかはわかっていない。 おそらく牛や馬は乗り物や家畜、そして貴重な食べものとして、旧石器時代の昔から人々の暮らしに密着していたからなのだろう。



 

万能の鳥    ガルーダ

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ガルーダ

ガルーダはワシ、またはワシの頭と赤い翼をもつ金色の人間の姿で描かれる。 またヒンドゥーの神またはインド神話の神であるヴィシュヌ神の乗り物として描かれる地域もある。

人々が恐れるヘビや龍を食べてくれるガルーダは、インドや東南アジアの各地で多くの人々に崇拝されている。 さらにガルーダは他の神々さえも恐れるほどの力をもっているため、ビシュヌ神がガルーダに自分の乗り物となってくれるよう頼んだと言われている。

ガルーダは、スピード、勇敢さ、そして知性の象徴でもある。



 
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サソリの女神    セルケト

セルケト

セルケトは生と死をつかさどるエジプトの女神。たいていは頭にサソリをのせた女性として描かれたり、サソリそのものとして描かれる。セルケトという言葉はのどを絞める人、またのどに呼吸をうながす人という意味を持つ。

エジプトでは猛毒をもつサソリやヘビは人々とって恐怖の対象だ。そんな中、人々をそれらの危険な生き物から守ってくれるセルケトは、とても大切な女神として厚い信仰を集めている。セルケトは人々だけでなく古代エジプトの豊饒の大母神イシスや戦闘の女神ネートなど神々をも守る。



 

神の使い    鶏(にわとり)

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にわとり

日本の天照大神(アマテラスオオミカミ)は太陽の女神。 ある時、闇と海の神である須佐之男命(スサノオノミコト)が神殿で乱暴を繰り返したため、天照大神は天岩戸(アマノイワト)に隠れてしまった。 すると太陽の光が地上から消えてしまい、これに困った他の日本の神々は天照大神を説得するためひとつの名案をおもいついた。 それは鶏を集めて彼女のために鳴かせることだった。 そして、鶏の鳴き声を聞いた天照大神は外で何が起こっているのか見るためついに天岩戸から姿を現した。

これ以来鶏は日本の神社で神の使いとして飼われるようになった。



 
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ネズミが乗り物    - ガネーシャ -

ガネーシャ

ガネーシャはインドやパキスタンなどの地方で広く崇拝されている神様。 成功を導き、障害や災いを取り除いてくれる。 また、教育と英知の守護者でもある。 ガネーシャの大きなお腹のふくらみは人々のすべての望みを受け入れる象徴だ。 だから多くの人々にガネーシャは愛される。 ガネーシャはネズミに乗って移動する。 ネズミは欲望と利己主義の象徴。 つまり、そのネズミに乗ることはガネーシャが欲望と利己主義を乗り越えたことになる。 名前の “ガネーシャ” は「ガーナ」と「イシャ」の二つの言葉からなっている。 サンスクリット語で「ガーナ」はグループまたは群衆で、「イシャ」は支配者または主人という意味だ。 しかし、パミール語のガネーシャは “小さな子ども” という意味。



 

トート 知恵の神

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オーディン

ト-トは文書や言語をつくったエジプトの神。 そのためトートは知恵や魔法、宗教などの守護者と考えられている。 また、トートは暦や科学も発明した。

さらに神と人間の両方が守るべき道徳が書かれた“マアト”の筆者もトートとなっている。 マアトはまた宇宙の原理を支えていることから、トートが宇宙創造を象徴しているとも考えられている。

トートの姿はいくつかあって、トキの頭をもつ人間として描かれる場合やトキそのものであったり、ヒヒであったりすることもある。



 
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オーディンのカラス

オーディン

オーディンはスカンジナビアの人々に伝わる北欧神話の最高神。 彼は知恵、戦争、死、そして魔法を支配している。 オーデインの武器の槍はグングニルと呼ばれ、狙った標的は決してはずさない。

オーディンは彼の館のヴァーラスキャールヴェから二羽のカラスを通して世界を見渡している。 そのうちの一羽フギンは思考を、もう一羽のムニンは記憶を象徴している。 フギンとムニンは昼間、世界中を飛び回り、夜に主人のオーディンに見聞きしたことを伝える。



 

ギリシャ神話の中のワシとカニ

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プロメテウス

プロメテウス または ティティウスのお話から。

プロメテウスは天界から火を盗んで人間に与えた。 これに怒ったゼウスは、その罰としてプロメテウスをカウカソス山の山頂に張りつけにしてしまう。 山頂で身動きがとれないプロメテウスをオオワシが襲い、その肝臓を食べてしまう。 プロメテウスは不死身だから一晩もすると肝臓はもとどおりになる。 そしてふたたびオオワシに肝臓を食われることになる。

長いあいだ苦しめられたプロメテウスだったが、助けがやってくる。 ヘラクレスがオオワシを弓矢で射ぬいてプロメテウスを救ったのだ。

ゼウスの象徴はオスウシとブナそしてワシだ。 カニはもしかするとヘラクレスが訪れることを表しているのかもしれない。

イラストはミケランジェロ・ブオナロ-ティの素描をもとしている。

このお話を動画で見よう!