トカゲ太郎のワンダー・ワールド
恐竜は絶滅したのか
― 鳥の進化と恐竜 ―
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鳥、ワニ、そして、恐竜

鳥類とワニの仲間は、見た目がまったく違うものの近縁の種であることは間違いない。どちらの種も繁殖のため、堅い殻に包まれた卵を産む。また、生まれたばかりの赤ちゃんの世話をすることも同じだ。さらに両種とも、酸素濃度が低い場所で暮らせるような肺の構造をしている。最近のゲノム解析の結果から、鳥類とワニの仲間は2億5千万年前に生きていた共通の祖先から枝分かれしたと考えられている。そして恐竜もまた、両種と同じ祖先から生まれたとされている。

ワニの仲間は、恐竜の生きていた時代から地球上に存在していて、身体の形もほとんど変わっていない。ある意味、ワニたちはゆっくりと共通祖先から進化をとげたといえるが、恐竜はというと、ディプロドクス、トリケラトプス、ティラノサウルスなど短い間に様々な種類へと進化を遂げた。一方、鳥類もまた長い進化の歴史を持っていて、約1億年前から存在し、特に恐竜が姿を消した6千5百万年前の大量絶滅の直後から様々な種へと広く進化を遂げた。

鳥とは

鳥類の特徴をここで挙げてみると、まず羽毛と歯のない口ばしがある。また、堅い殻の卵を産んで、低酸素の大気の中でも呼吸ができる。さらに、鳥類の骨の中は空洞になっていて、とても軽いものの脆くは決してない。そして、おそらく捕食のためと考えられるが、脳と眼が非常に発達している。これらの特徴は、恐竜にも観察されるもので、中でも獣脚類とよく似ている。

恐竜と鳥

飛ぶことを除けば、鳥類は様々な点で恐竜と共通の特徴を持っていることから、多くの研究者が鳥類は恐竜の仲間だと考えている。特に獣脚類は鳥類と共通点が多い。両者は二足歩行をし、学ぶ能力を有する進化した脳をもっている。例えば、獣脚類に属するトロオドンは比較的大きな脳を持ち、その大きな眼は奥行きを知覚できる。アロサウルスもまた獣脚類であるが、その骨は鳥類のように中が空洞になっている。これによりアロサウルスは敏捷に動けたと考えられる。恐竜の生きていた時代、大気中の酸素濃度は現在よりも低かった。そのため恐竜は敏捷性を保つために効率の良い呼吸器を持たなければならなかった。鳥類はまた、特別な心臓と肺を持つことで、高度の高いところを飛べるし、飛ぶための大きな筋肉も動かすことができる。

羽の生えた恐竜

中国東北部にある遼寧省は世界でも有数の化石の産地として知られている。なかでも同省にあるイ-シャン層(義県層)で、中生代後期(約1億4500万年前から1億2000万年前)に生きていた動植物の化石が大量に見つかった。それらの化石には恐竜だけでなく、ほ乳類や鳥類、爬虫類、昆虫類なども含まれている。そして1995年から現在に至るまで、イ-シャン層(義県層)では羽毛恐竜の化石が次々と発見されている。これらの羽毛恐竜の化石は大量であるだけでなく、保存状態もとても良い。なぜなら身体の柔らかい部分が、細かい灰や土で覆われていたため酸素によって腐ることがなかったのだ。恐竜がまだウロウロしていたこの時代、おそらくこの辺りには湖や火山が多くあった。恐竜たちの中には死んだ後湖の底に沈み、空気のない“自然の容器”の中で死骸が保存されたのだ。

おそらくユーティラヌスには、ライバルとなる他の羽毛恐竜がいただろう。

シノサウロプテリクスは、初めて原始的な羽を持つ恐竜として1996年に発見された。この獣脚類に属する恐竜は、白亜紀前期(約1億2000万年前)に生きていた。身体の大きさは1mほどで、小型のほ乳類や昆虫を捕食していたと考えられる。さらに、もっと大型の羽毛恐竜もイ-シャン層の地層から見つかっている。2012年にユーティラヌスと命名されたこの恐竜はティラノサウルスの仲間で、その大きさは9mにも達した。

鳥が絶滅したら

極小のものから巨大なものまで、多くの獣脚類の化石がこれまでに発見されていている。シノルニトサウルスもまた遼寧省で見つかっていて、羽毛恐竜から鳥へと進化する過程がその化石から見て取れる。シノルニトサウルスの持つ二種類の羽毛がそれを裏付けている。一つは身体を覆うためのもので、もう一つは羽を形作るものだ。そして、2014年数名の科学者が鳥は恐竜の一種であるという発表を行った。恐竜は、鳥類へとゆっくりと進化し徐々にその姿を現在の鳥の姿へと変えていったのだ。そして、白亜紀の終わりごろに多種多様な鳥類が現れることになる。これは、鳥類が大量絶滅の時代を生き延びて今なお存在し続けていることを意味している。もしもこれが事実であれば、巨体で歯を持つ恐竜はいなくなったとしても小型の恐竜はいまだに存在していることになる。

偉大なツメバケイ (ホーアチン)

ツメバケイは、その起源を6400万年前にさかのぼることができる唯一の鳥である。ツメバケイが珍しい鳥である点は他にもある。それはこの鳥が主に葉っぱを食べることで、約80%の食糧が葉っぱであり、残り20%も花や果物で占められている。また牛のように、ツメバケイは胃の中にバクテリアがいて植物繊維の消化を助けている。つまりツメバケイは牛や鹿のように反芻動物なのだ。さらに、そのヒナは二本の爪が手の先に生えていて、巣から落ちたときにその爪を使って這い上がってくる。こうしてツメバケイは、その驚異的な能力で長い間生き延びてきたのではあるが、現在は生息地の減少が大きな脅威になっている。そして実際、今や多くの野生種の鳥たちが生息地の減少と自然環境の悪化によって絶滅の危機にさらされている。この意味は、もしも鳥たちが直面している問題を真剣に考えなければ、恐竜唯一の生き残りが永遠に姿を消すことになるということだ。

ツメバケイのヒナは、捕食されないようにわざと巣から落ちることもある。