トカゲ太郎のワンダー・ワールド
甦れ! ティラノサウルス
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化石になる長いみちのり

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化石は古代の生物たちの姿や生態が残さている、とても貴重な記録だ。 まして死んだ恐竜の体が化石になるには、様々な自然条件が重ならなければならず、1個体の恐竜が完璧な形の化石になって発見されるのは本当にまれだ。

例えば、ティラノサウルスが死んだとしよう。 この時、肉や腐肉を食べる動物たちがこのティラノサウルスの死がいを見つけてしまうと困る。 なぜなら、肉食恐竜に見つかると死体の一部をどこか他の場所に運んでしまう可能性があるからだ。 体の柔らかい部分は死後まもなく腐ってしまうけど、骨にはリン酸塩が含まれるので腐敗が進まず、骨はその形を保つことができる。 そして、少しでも良い状態で保存されるには、死骸ができるだけ早いうちに土に埋もれなければならない。 これには、洪水や地すべり、火山の爆発による降灰など、自然現象が大きな役割を果たす。 また、その後も褶曲(しゅうきょく)や断層などの地殻変動による破壊からまぬがれないといけない。 さらに周囲の岩の圧力によって骨や骨の組織が壊されることも化石になることを妨げる。

堆積物のなかに埋もれるうちに、やがて「化石化」と呼ばれる現象が起きる。 まず鉱物を多く含んだ地下水が骨にしみこんでいく。 その過程で鉱物が骨を構成する細胞組織に入り、やがて鉱物と組織が入れ替わる。 その後、鉱物はさらに骨の中にある空洞や残りの細胞組織にまで行きわたり、やがて全ての骨の部分が鉱物そのものになっていく。 そして、最終的に骨は硬く重たい岩となる。 ここまでくると、化石化した骨は地層の中で数百万年以上も残る可能性が大きくなってくる。


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化石の出土



化石は地質の風化や浸食により地層からその姿をついに現す。 だから土地の風化や侵食が起きやすい悪地(英語のバッドランド badland)や砂漠でよく見つかる。 また河岸や海岸でも見つかることがある。 さらに化石を含んだ地層がちょうど地表に浮き上がっていることも条件だ。 もし爬虫類や両生類などの他の動物の化石が恐竜と一緒に見つかったら、恐竜が暮らしていた生息環境を推測できる。

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また、見つかった恐竜の体の姿勢や向きなどで、その恐竜がなぜ死亡したのかがわかることもある。 だから、恐竜が見つかった場所からできるだけ多くの情報を得ることも大切だ。



米国 国立スミソニアン自然史博物館内の発掘研究ブース