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2008 国際カエル年 |
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国際自然保護連合と世界動物園水族館協会は、地球規模でその数を急速に減らしつつある両生類を救うため、アンフィビアン・アーク計画(両生類の箱舟)を世界中の動物園や水族館の協力を得て進めている。 その一環として今年を国際カエル年とし、特にカエルの保護に力をいれることになった。 東京の財団法人東京動物園協会の4園(恩賜上野動物園、多摩動物園、井の頭自然文化園、葛西臨海水族園)もこの活動に参加。 カエルを中心とする両生類の調査・保全と両生類についての理解を広める活動を展開する。 今回は上野動物園で進められている取り組みについてお話をお聞きした。 |
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そこらへんにいたのに現在、上野動物園で飼育されている両生類は50種類。 そのほとんどが外国産の珍しいカエルやイモリなどだ。 しかし、今回保護の対象となったのは日本の固有種。 言ってしまえばそこらへんにいると考えられていたから動物園の守備範囲から大きくはずれていた。
そのため保全チームはまず捕獲することからはじめた。 対象となったのは東京の固有種で近年急速に数を減らしつつあるトウキョウダルマガエルとトウキョウサンショウウオだ。 まず、昨年五月、多摩川上流の五日市でオタマジャクシを採集。 なぜオタマジャクシかというと、卵だとつながっているため遺伝子が近すぎるし、成体を捕まえるには、ピョンピョン跳ね回って一苦労だからだ。 しかし、館内で飼育して繁殖させるにはまだまだわからないことだらけ。 |
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両生類や爬虫類のエサになるフタホシコオロギが6万匹、この部屋で飼われている。 |
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繁殖の決め手はいつ冬眠させるかによって決まる。 そのため飼育下で温度や湿度をうまく調節する必要がある。 「繁殖のスイッチを押せるのは両生類を飼育する醍醐味でもあるんですよ」 と斉藤さんは生き生きとした表情で話す。 「飼育し繁殖を安定したものにするにはトウキョウダルマガエルの場合、6年ぐらいはかかるでしょう」 と計画について慎重な高橋さんだが、将来はノウハウを磨いてカジカガエルやタゴガエルにも挑戦したいと意欲的だ。 少しでも多くの種類の日本固有のカエルをツボカビから守るため、飼育・研究がこれからも進められていく。 |
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オタマジャクシがカエルになる。 身体の形が成長すると変わる変態のしくみは両生類の特徴のひとつ。 また、足を一本失ってもしばらくすると新しい足がはえてくる再生能力にも驚かされる。 さらに、カエルの仲間には蛍光色のような鮮やかな色彩をもっているものもいて見るひとを惹きつける。 サンショウウオなどの飼育室を見せてくれた斉藤さんは、「ウーパールーパーは共食いします。 だから仲間に餌と間違って咬まれ足が欠けたりするんですけど、元通りになりますかからね」 と実際に再生する様子をいつも見ている。 |
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「両生類は進化の過程を知る生きた教材です。 子供たちにとって恐竜の魅力は両生類がいるから増すのです」 という高橋さん。 まだまだ両生類の魅力は尽きないようだ。
よーく見ているとなんとなくトウキョウダルマガエルも物思いにふけっているように思えるから不思議だ。
高橋さん、斉藤さんご協力ありがとうございました。
訪問日 2008年3月4日
しっかり育てて増やすために
多摩動物公園は、東京都内でも自然が豊かに残る多摩地区にある。 多摩動物公園が2008年国際カエル年の取り組みとして保護に力を入れているのがヤマアカガエル。 園内に数多く生息しているため採ってくるにはそれほど問題ない。 しかし、保護となると話は別だ。 まず獣医師が固体ごとにツボカビ症にかかっていないか診断し、その後一定期間薬浴をして全身消毒をする。 外部からカエルと交わらないよう、隔離することも大事だ。 今のところ、まだ繁殖が進んでおらず、個体数が少ないため一般に公開はしていない。 |
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このバケツの中で、 ヤマアカガエルが冬眠しているらしい。 |
牧村さんが葉っぱをよけてくれたよ。 下から出てきたのは・・・ 眠気まなこでも半分起きているヤマアカガエルだ。 |
多摩動物公園内にある人口池。 |
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よく見ると、ヤマアカガエルの小さなオタマジャクシが |
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繁殖のために夏場の日調に保たれた飼育室にはタガメの幼体から成体が飼われている。 肉食性が強く、共食いを防ぐためそれぞれ別の容器に入れられている。 渡辺さんによるとタガメはカエルやオタマジャクシだけではなく、小エビやメダカなどいろいろ食べる、という。 しかし固体によっては好き嫌いも激しいというから面白い。 ただ、もともと水の中に棲む生物なのに、気をつけないと食後に身体が重たくなって水底に沈んで呼吸困難で溺れ死ぬものもいるそうだ。 |
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渡辺さんにカエルとの関係について聞くと、タガメの絶滅が人間にとって深刻な影響を与えるかどうか、まだわからないとしながらも、 |
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今年50周年を迎える多摩動物公園は、トキ類の飼育技術を開園以来蓄積し、佐渡トキ保護センター以外で国内唯一トキの繁殖に取り組んでいる。 このため、多摩動物公園にとってはカエルだけでなく生き物全体に対する関心を高めてもらえるような様々なイベントを行う年になりそうだ。 |
訪問日 2008年3月4日
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井の頭自然文化園の水生物館では、身の回りにいる小型の魚や水生昆虫など日本の淡水生物を観察できる。 もともと井の頭自然文化園では地元の自然と生き物を大切に保全することを展示の中心としていたため、国際カエル年の活動は、当園の得意とする分野である。 生活排水による水の汚れや河川改修による生息域の減少により、今ではそこら辺の生き物が “珍しい生き物” になってきてしまった。 水生物館飼育係 荒井寛さんは、 加えて、水面がつながっていないことをその理由としてあげている。 |
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「生息地域の環境が悪化すれば、他へ移ることが考えられるし、繁殖や産卵のために移動する場合も少なくないのですが・・・」、 |
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国際カエル年の取り組みとして、今、繁殖・飼育しているのは、ツチガエルとアカハライモリだ。 ジャンプ力がそれほどなく、おとなしいツチガエルは、飼育しやすい。 オタマジャクシから成長して陸に上がってきたものだけでも200匹以上飼われている。 また、なるべく地元にいる普通の種類を守ろうというねらいから、アズマヒキガエルも繁殖中だ。 どこにでもいるヒキガエルと思いきや、飼育はツチガエルよりも難しい。 ヒキガエルは乾燥に弱く水辺が必要だ。 しかし子供のヒキガエルは溺れてしまうため、陸場も作る必要があり、意外と手間がかかる。 さらに、関東地方ではよく見られたはずのアカハライモリの繁殖にも取り組んでいて、葛西臨海水族園とともに生息地の保全に力を入れている。 |
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この他にもモリアオガエルやニホンアマガエルなど様々なカエルが展示されていて、中でも人気なのがウシガエル。 4年ほど前に、吉祥寺の民家で見つかったもので、巨大な姿が人気をよんでいる。 時々、ネズミを一匹丸ごと食べないと痩せてくるほど食欲が旺盛で、普段は一緒に水槽にいるアメリカザリガニを食べている。 以前指にあったデキモノが治療されて、今は元気いっぱいだ。
ウシガエルとともに注目なのが、天然記念物のミヤタナゴや埼玉の熊谷市にしかいないムサシトミノなどの小型の魚だ。 でも、小さくて目立たないためチラっと見て通り過ぎてしまう人が多い。 そこで、数種類の水草を植えたり、石の置き方や照明などのデザインを考えて水槽全体の展示を見飽きないよう工夫している。
長年目立たないが貴重な水生生物に接してきた荒井さんは 「国際カエル年をきっかけに、水生生物やその周りの環境全体に目を向けてもらえれば」 としている。
井の頭自然文化園では、今後国際カエル年の様々な特別展示を企画していている。