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むかわ町立 穂別博物館 |
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(訪問日 2011年7月9日)
ウミガメ化石 日本一 |
トカゲ太郎
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むかわ町立穂別博物館は札幌から東南へ約100kmのむかわ町穂別地区にある。 新千歳空港から道南バスで約1時間(予約制)。 |
むかわ町立穂別博物館は穂別の山中で見つかったクビナガリュウの化石を保存し展示するため1982年に開館した。 クビナガリュウは発見者にちなんでホベツアラキリュウと名付けられた。 でも、同館の特徴はそれだけではない。 世界の中でも有数のウミガメ化石を収蔵し、モササウルスやアンモナイトなど中生代の海洋生物の化石を数多く展示している。 |
ホベツアラキリュウは 全長約8m |
ホベツアキラリュウのお腹から発見された胃石。 海中でバランスをとったり食べ物をすりつぶしたりするために使ったようだ。 世界のクビナガリュウのなかには600個もの胃石が発見されたものもいる。 |
ホベツアキラリュウなどのクビナガリュウは歯が小さくて細いので硬い殻などをかみ砕くことはできなかったようだ。魚、タコ、そして丸飲みにされた小さなアンモナイトなどが実際に胃の中から見つかっている。 |
メソダーモケリス (中生代のオサガメという意味) は大きいもので体長が約2m(頭と尾を含む) にもなるオサガメの仲間だ。 白亜紀後期(約7000万年前)に現在の穂別に広がっていた海に生息していたと考えられている。 メソダーモケリスの化石は日本国内でしか見つかっていないため世界的に珍しく、しかもそのほとんどが穂別地区で産出している。 現在、世界の海に7種のウミガメ(ウミガメ科6種、オサガメ科1種)が生息しているが、中生代には約30種ものウミガメが世界中に分布していただろうと考えられている。 中生代のウミガメ(ウミガメ上科)は、ウミガメ科、オサガメ科、プロポステガ科、の3つに分けられる。これだけの種類に分かれたのは、今のウミガメのように大洋を回遊せず、それぞれの生息地域にとどまってその場所の自然環境に適した身体を発達させたからではないかと推測されている。
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白亜紀後期の日本 |
穂別で見つかったクビナガリュウやモササウルスの仲間、そしてウミガメは海峡を泳ぎ回っていた。 なぜなら今から9000~8000万年前の北海道は二つに分かれていて、現在の日高山脈のあたりは陸と陸にはさまれた海峡になっていたからだ。 さらに時代が進んで7000万年前になると、クビナガリュウが姿を消したが、ウミガメやモササウルスはまだ生き残っていた。
白亜紀後期のハコエビの化石 |
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メソダーモケリスの化石は函淵層群(はこぶちそうぐん)と呼ばれる白亜紀の地層で見つかった。 化石が産出された場所は穂別地区を流れる鵡川(むかわ)の流域にあるパンケルサノ沢に集中している。 またメソダーモケルスの化石が入った岩の中には放散虫の化石もふくまれていて、化石の年代をつきとめることに役立った。 北海道のカメ化石100点のうち50点は穂別から産出しており、そのほとんどはウミガメ化石だと考えられている。 17点あるメソダーモケリスの化石は甲羅の大きさが40~150cmとさまざまなものがあり、白亜紀のウミガメの成長を知るためにもとても貴重だ。 さらに殻の結晶の構造からウミガメの卵と考えられる化石も発見されている。 |
メソダーモケリスの背中の甲羅。 1個の岩の塊の中から見つかった。 |
化石の入った岩は石灰分が集まってできているため、ギ酸を使って溶かしながら化石部分を取り出すことができる。 でも、化石自体もいっしょに溶けてしまうおそれがある。 このためアクリル系樹脂のパラロイドを化石の露出した部分に塗って保護しながら少しずつ作業を進めていく。 「クリーニングには時間がかかりますが、さまざまな化石標本を常設展示に加えることで見学者のみなさんは、古代の生き物が暮らした自然の姿を感じとることができると思います。」 と話す同館の櫻井和彦学芸員。
櫻井さんは北海道教育大学を卒業後、地質調査会社を経て平成10年から同館で働いている。 同館の目玉のひとつであるメソダーモケリスについて櫻井さんは 「モササウルスの横を泳ぐ、メソダーモケリスを想像すると、ウミガメってすごいなぁ、とみなさん感動してくれると思います。 それから、メソダーモケリスが暮らした海を知るためにもスナモグリの化石やユウレイガニの化石の展示もぜひ見ていただきたい。」 と語り、メソダーモケリスはすでに絶滅してしまったけれども、ウミガメは今も生き残っている貴重な動物で、見る人にとって今と古代を結びつけやすいのではないかと期待している。 |
デスモスチルスの化石 (頭骨はレプリカ) 中新世・前中期(約2300万年前~1000万年前)に 生息していたカバのような動物。 水辺を棲みかにしていたのかもしれない。 |
化石は町とともに穂別博物館に収蔵されている化石の中には町の人々が寄贈したものが数多く含まれている。 櫻井さんと博物館のスタッフはそれらの寄贈された化石を分類・整理し、見つかった場所の様子や化石の形がわかる写真などの記録を残している。 こうした化石の管理をしっかりすることで、国内はもちろん海外からの問い合わせにすぐに対応できるからだ。 「博物館の職員ももちろん野外調査へ出かけますが、町内外のみなさんが採集した化石を持ち込んでいただくことで所蔵する化石が質・量ともに充実していき、とても感謝しています。」 と、櫻井さんは協力してくれた人々の助けによって同館が発展したきたことを強調する。 |
穂別で見つかった白亜紀後期のティロサウルスの上アゴの骨 |
穂別地区で見つかった巨大な二枚貝、イノセラムスの化石 |
モササウルスの模型
白亜紀後期のモササウルスの仲間、 モササウルス・ホベツエンシスの前足の化石 |
白亜紀後期のモササウルスの仲間、 プリオプラテカープスの頭骨の一部や脊椎、歯などの化石 穂別地区ではこのほかにも数多くの新種の発見が相次いでいる。 昨年は口先が少し欠けただけでほぼ完全なモササウルスの頭部化石が発見された。 専門の研究者によるとこの標本は世界的に珍しく、新種である可能性が高いという。 また2011年夏季特別展として、「歯のかたち-クビナガリュウ vs モササウルス-」(7/23~10/30) を開催する。 この展示では脊椎動物の器官のなかでも化石として残りやすい歯に注目して、その形から食べ物の種類や歯をどのように使っていたかを紹介する。 |
穂別博物館の道をはさんで向かい側にある。 サイエンスガイドのおねえさんの案内で、熱帯雨林、古代の海、砂漠など、テーマごとに分かれた館内を順番に体感する。 様ざまな自然環境に合わせて室内の湿度や温度が変わるため、例えば、氷河期の部屋では極寒を体験できる。 さらにサイエンスガイドがそれぞれの部屋でポイントを分かりやすく説明をしてくれるから展示の内容を興味深く見ることができるよ。 |
穂別地区を流れる鵡川 |
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北海道のフキは確かに大きい。銀色に光っているのは百円玉。 北海道の子どもたちは川辺でカメが日向ぼっこ、という光景を普段目にすることがない。 北海道には野生のカメがいないからだ。 それから、クワガタムシはいるのに野生のカブトムシもいな い。 そのかわりヒグマやエゾシカ、キタキツネなどの野生動物の宝庫だ。 |