トカゲ太郎のワンダー・ワールド
池田動物園
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トカゲ太郎

子どもは恐竜

ふれあい広場、池田動物園

ふれあい広場は子どもたちにも大人にも大人気。 池田動物園ではウサギやモルモット、チャボ、ガチョウ、ミニブタなどと触れ合える。 中でもヒヨコは一番触ってみたい動物だそうだ。 飼育員の芦田渉さんはふれあい広場の担当が決まった時、「これは大変だ。」 と感じた。 動物たちの体調管理とお客さんへの気配りの両方をこなさなければならないからだ。  「ヒヨコは小さくてカワイイのですが、その分とても繊細です。温かさを伝えるように手のひらの上でしっかり持ってあげないといけません。鳥は保温がとても大切なんです。」 という芦田さん。

動物の側にもいろいろ事情がある。 ウサギは中でも難しい。 毎日ご機嫌をチェックして広場に出せるもの出せないものを見分ける必要がある。 「思っていることがある程度わかります。 毎日観察していますから。 イライラしていると前足を叩きつけたりします。 また、今日は勘弁してくれと、近づいてこないウサギもいます。」 という芦田さんは、いつもと違う様子のウサギはお休みさせる。

「かわいくて抱っこしたい気持ちはわかります。 でも逃げ回っているウサギを追いかけ回すのは避けて欲しい。 ウサギにとっては子どもたちでも巨大な恐竜。 恐れおののいて身体に負担がかかってしまうのです。」 という芦田さん。 自身も小さな動物たちがいかに微妙なバランスのうえに生きているかを実感している。 鳥獣保護センターでさまざまな動物の生死を経験しているからだ。 先輩の平野若子さんにケガをした動物たちの扱い方を教えてもらって日々学んでいる。

(2009年9月10日 訪問)





訪問日 2007年12月13日




まずは食べることから

戦後、食料難の時代。 なんとかこども達を救いたいと池田隆政園長が始めた牧場が池田動物園のはじまりだった。 そして、もともと動物が好きだった池田園長は少しづつその種類と数を増やし、岡山市の京山という山を利用して現在の動物園が設立された。

だから、池田動物園のメッセージはとにかく動物を好きになって欲しいということ。 そのため、20年以上前からお客さんによるゾウのえさやりなど、動物とのふれあいを大切にしてきた。

入り口、池田動物園



甘えん坊で手がかかるけど・・・

  松本さん、池田動物園


ホンドタヌキ ハクビシン




ちょっと冷え込んだ日の朝、飼育員の松本奈月さんが小獣舎をホースで水洗いしている。 その姿を目を真ん丸くしてじっと見つめるホンドタヌキハクビシン。 「寒いけど我慢してねー」 と声をかける。 二匹とも何をしているのか分かっているようにおとなしい。

松本さんはこの他にふれあい広場の動物たちも担当している。 
ロバは特にカワイイですよ。 とても甘えん坊でお客さんがヤギのためにエサを買っていると、遠くのほうからちゃっかり見ていて近づいて来ちゃうんです。 私がそばを通るとこのとおり」 という松本さん。 手間がかかる動物ほどかわいいのだそうだ。



長靴やカギの音でわかります

  清水さん、池田動物園

ベンガルトラのケン君はうろうろ歩き回りながらもの凄い勢いでほえている。 「野生が強くて人間が嫌いなんですよ。 良いことなんですけどね」 という担当飼育員の清水拓矢さん。

そして、猿舎の方に向かうとブタオザルが眉毛のあたりを引きつらせて清水さんを歓迎した。 
「遊んでいるんですよ。 白い長靴やカギの音なんかで分かるのだと思います。 遠くにいてもこっちを見ています」 と言いながら隣のブラウンキツネザルの様子を見る。 エサの取り合いになってケンカにならないように、エサは細かく切って与えている。 そのまた隣のエリマキキツネザルマントヒヒは仲が悪くて、いつもにらみ合いをしているのだそうだ。 「エリマキはマントヒヒが向かってこれないことを知っていて、わざと挑発しているのですよ。 それは別としてマントヒヒの毛並み、すごいでしょう」 と健康のしるしであるふさふさした毛並みに満足していた。

ベンガルトラ
 



象に怒られました

総務部長の赤迫良一さんは15年間ゾウの飼育にたずさわってきた。 「毎年エサをあげに来ています。 今年も元気そうでうれしい」 と話すお客さんを見て赤迫さんは満足そうに笑みを浮かべる。

でも、赤迫さんがゾウの飼育を受け持った当時まだ現在のような飼育技術が確立されていなかった。 そのため一人で悪戦苦闘しながら象との関係を築いていった。 「象舎に急に入っていったら怒られましてね。 鼻でこずかれました。 象からすると、『びっくりするじゃないか』 ということでしょうね」 と感概深げに話す赤迫さん。 「ゾウは警戒心が強くて一回した経験は二度と忘れません。 だから言うことを聞かないときはテコでも動かない。 しょうがないからこっちも怒ってしまう。 怒ったり怒られたりしながら今のように近づけるようになった」 と飼育の苦労を語ってくれた。

今はゾウに慣れるまで少なくとも半年間は様子をみる。 直接ふれあう場合は二人一組でのぞむなど今までの経験を生かして若い飼育員さんたちはゾウの飼育にあたっている。

ちなみにゾウのウンチにたかるハエは、アマガエルヌマガエルのエサになる。 カエルさんたちは意外と人気者なのだそうだ。

  赤迫さん、池田動物園
 



種類じゃなくて個性です

  浅野さん

「だからトラとかゾウとかラクダじゃなくてトラのケンなんですよ!」 とトカゲ太郎の質問のまずさに困った顔の浅野孝行さん。 飼育を20年以上続けてきたけれど新しい個体にたずさわる時はいつも緊張するという。 「もちろん動物は種類によって特徴があります。 草食と肉食では違います。 でもそれ以上に個体によって個性があるからそれをちゃんと理解してあげなければならない」 といい個体ごとの性格や癖に気を使うことを強調する。

例えばワニガメ。 池田動物園にいる二匹のワニガメの性格は正反対。 ふつうワニガメは口をあんぐり開けて魚が近寄ってきたところでパクリといく。 ところがここの一匹は自分から追いかけていって丸呑みする。 こうなると二匹で飼育のし方も変わってくる。

一週間のエサの量は、一匹で約300匹の金魚をたいらげる。 でも待ち型と襲い型ではエサの無くなる速さが違う。 また襲い型は水槽の中の石にぶつかって石がヒーターを傷つける可能性があるから石の置き方も考えなければならない。
「水の入れ替えはストレスになるからすばやくかつ慎重にしなくちゃならない」 と話しながら浅野さんは石の向きをあれこれ変えて思案していた。

 



反応が違います

カニクイザルのエリお婆ちゃんは、 飼育員の芦田 渉さんが 「チ、チ、チ、チ」 と声をかけると両手を挙げて答えてくれる。 この行動は芦田さんによれば一種の遊びだという。

残念ながら芦田さんや見慣れた飼育員さん以外の人が試してみても無反応。

「エリの中に優先順位があるようです。 例えば私より付き合いが長い飼育員がいるとその人に反応します。 その反対に私の方が慣れている場合は私を優先します」

と芦田さんはエリの反応の違いを説明してくれた。

「もうオバアチャンだから動き回ることも少なくなりましたが、つぶらな瞳を見ているだけでとてもカワイイ」

と言いながら芦田さんはエリを見つめていた。

  芦田さん、池田動物園
 



やっぱり練習が必要

  <中山さん

夜、ヘビが出没してチリーフラミンゴの卵を食べてしまう事件がたびたび起こった。 そんな時はさすがに放っておくわけにいかず卵を避難させ、人工飼育をすることになる。

担当した飼育員の中山広子さんは 「生まれてから10日ほどは自分の身体の中に栄養分があるのでそれほど問題はないのですが、その後一週間の栄養管理が大変。 目が離せませんでした」 と当時を振り返る。
しっかりと自分の足で立って自由に動き回れるようになってもまだまだ手がかかる。
例えば水浴びの練習。 羽についた寄生虫などを取り除くなど身体を清潔に保つため覚えなければならない。 「どうしていいかわからないみたいです。 まずは水に慣れるところから始めます」 という中山さんにとってもはじめてのことが多かった。

人工飼育で育ったチリ-フラミンゴは土日、祝日に園内を散歩する。 運動不足を解消するためだ。 その姿はお客さんに大人気で、チリーフラミンゴたちの元気な姿に中山さんも安心していた。

 



命を救うこと 岡山県鳥獣保護センター

池田動物園は岡山県の委託を受けて鳥獣保護センターを併設している。 施設内に入るのにまず全身を消毒しなければならない。 センター内には保護動物が収容されているケージが並んでいて、そのほとんどが布やタオルで覆われている。 「人間に慣れていない野生動物は人間と接するだけでストレスを感じるんです」 と語る平野若子さん

飼育員だった平野さんは野生動物を救いたいと自ら希望してセンターの仕事についた。 しかし、最初の頃はとまどいの連続だった。 だいぶ元気なってきたキジの足が汚れていたので抱き上げてふいていたら、突然ぐったりして死んでしっまった。 「ショック死でした。 野生動物と接する難しさを実感しました」 という平野さん。 今は慣れてきたとはいえその大変さに変わりはない。

保護されても8割は救えない現実に平野さんは悩むこともあるが 「誰かが世話をすることで生きる可能性が広がるから」 といい野生動物を救うことの大切さを忘れない。
「夜行性のタヌキは昼間はおとなしいのですが夜間は大暴れしてなんとか脱走を試みているようです。 治りかけて元気になってくるとますますひどくなります」 と困った顔をしながらも優しい目でタヌキを見ていた。

平野さん、池田動物園
 


動物たちを見つめ続けて

「これまでずっと動物たちと付き合ってきたけれど、その魅力はまだまだつきませんね」 と語る赤迫さん。 動物をじかに見たり、またふれあったり、さらには音や臭いまでも嫌がらずに実体験してほしいという。 「そのためにも動物園の魅力を向上させるハロウィンパーティーなどのイベントもどんどん企画しますよ」 という。 池田動物園は今後も来園者と動物とのつながり深めていくことを目指している。

トカゲ太郎「フォーフォーフォー!!」 フクロテナガザルの雄叫びが響き渡った。
ホント、実際に聞くと迫力が違う。

池田動物園のみなさん 貴重なお話ありがとうございました。