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井の頭自然文化園 |
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| メダカが教えてくれること | 「開催中(2011年12月13日~2012年2月19日)のメダカが教えてくれること」 特設展をレポート | |
| 「鳥々色々」特設展 | 「鳥々色々」 特設展をレポート | |
| モクズガニ、タガメ | 水生物館の人気者、水生昆虫についての特集 | |
| ツシマヤマネコ | 絶滅危惧種に指定されている日本の固有種ツシマヤマネコの保護、飼育についての取り組み | |
| 国際カエル年 | 2008年、国際カエル年の井の頭自然文化園の取り組みについての特集 | |
| 井の頭自然文化園の動物達 | ||
訪問日 2012年12月16日
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そもそもメダカは30年ぐらい前まで池や小川で普通に見ることができた。 だからおとなにとってメダカはとても身近に感じられる魚。 でも、今や日本の野生のメダカは絶滅のおそれがある魚になってしまった。 同園の水生物飼育展示係・中沢純一さんは、日本の野生メダカ(クロメダカ)が減ってしまった原因は大きく分けて三つあるという。 生息地の変化、外来種、そして放流だ。 野生のメダカは、池や沼、水田、小川などで暮らしている。 でも、近年は農薬や生活排水などによって池や沼が汚れてしまい、さらに水田や小川も昔と比べてメダカが暮らしにくい環境に変わってしまったのだ。 |
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「メダカが生きていくためには水の流れがゆるやかな場所が必要です。 ところが、小川や田んぼの水路はコンクリートで固められて流れが速くなってしまいました。 それと冬を田んぼの水たまりなどで過ごしていたメダカは、今は耕作機を入れるため田んぼを乾燥させるので行き場を失ってしまったのです。 さらに小川によく育つ水草が減ってしまったことも良くないですね。 メダカはそうした水草に卵を産みつけますから。」 と、中沢さんは生息地の現状を説明する。
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外来種であるカダヤシやオオクチバスはメダカの卵や稚魚を食べてしまう。 ただでさえ生息地の減少で追い詰められたメダカたちは人間の手で持ち込まれた外来種の脅威にもさらされている。 さらにメダカの多様性をおびやかしているのが放流だ。 「これまで減ったメダカを増やそうと国内各地で放流が行われました。 それはそれで仕方がないことでした。 でも、最近になって日本のメダカは地域によってそれぞれ違いがあることがわかったのです。 つまりある地域に全く違う地域からつれてきたメダカを放流することで、本来いたメダカとの交雑が起きて地域性が失われてしまう危険があるのです。」 という中沢さんは、安易なメダカの放流は絶対にしないで欲しいと訴える。 |
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日本の野生のメダカは一種のみ。 外見上はどの地域のメダカもほとんど区別がつかない。 ところが最近、ミトコンドリアDNAなどを詳しく調べていくうちに、地域によってA群(北日本集団)、B群(南日本集団)、C群(関東)の大きく三つに分かれることが明らかになった。 さらにA群は3つ、B群は9つのそれぞれサブグループに分けられる。 このため、井の頭自然文化園では葛西臨海水族園や多摩動物公園と協力して関東のメダカの多様性がどのように保たれているのか調査している。 その結果、東京都内に代々生息し、関東特有のDNAを保ち続けている、いわゆる“東京メダカ”は都内のメダカの生息地18か所の中でも一か所でしか確認できなかった。 他の場所ではB群の瀬戸内型や北九州型といった群れもいっしょに確認され、交雑が進んでいる可能性が高い。 今後、同園はさらに東京メダカの生息地の調査を進めると同時に、繁殖にも力を入れている。 |
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東京メダカの繁殖には細心の注意をはらう。 定期的に多摩動物公園でDNA検査を行い、他のメダカと交雑していないか確認する。 海水性の魚は常に水質の管理が必要だが、淡水性の場合はあまり手をかけ過ぎないほうがいいという。 |
中沢さんは水草や水の流れを考えてメダカの暮らしを水槽の中に再現した。
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全国のメダカについては、北にすむメダカは南のメダカより速く成長する傾向があることが分かってきた。 また、泳ぎ方にもそれぞれ違いがあるという。 メダカはそれぞれの地域でその土地の自然環境に合わせた特有の遺伝子を伝えてきたのだ。 中沢さんは特設展示を通じてメダカだけでなくその他の水辺の生き物の自然とのつながりも伝えたいという。 「他の生き物でもいえることですが、長い年月を経てできあがったメダカの多様性は失われると取り返しがつきません。 ゲンゴロウやイモリなど種に限らず水生の生き物たちがかかえる問題をメダカは代表しているのです」 と話す中沢さん。 農薬をなるべく使わない田んぼや水路に一年を通じて水のある昔の田んぼで作られたお米を食べることは、メダカや水生の生き物が暮らす環境を守ることにつながる。 また、池や小川をきれいにする活動に参加するのもいい。 そして何よりメダカやメダカを取り巻く自然環境について知って、それを伝えていくことが大切だ。 |
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園内にある繁殖施設。 東京メダカだけでなく、絶滅の危険性が非常に高いミヤタナゴの繁殖も行われている。 |
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タイコウチやタガメなどの水生昆虫のほかアメリカザリガニなどの移入種もメダカを捕まえて食べる。 |
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井の頭自然文化園には武蔵野の森林が多く残っていて、園内を散策するだけでも楽しい。 そんな自然の中には当然、飼育動物以外にもさまざまな動植物が暮らしている。 このため今年7月から9月には園内の多様な生き物を探すイベント 「身近な生き物探検隊」が行なわれた。 また来年1月8日には、小学生を対象に冬越しをする生き物を探す第4回「身近な生き物探検隊」が予定されている。 さらに今は、企画展示「小さな不思議、大きな発見 ― いきものはあそび友達」(2011年12月28日まで)を開催中で、都会に棲むさまざまな生き物について紹介している。 同園の教育普及係長・天野未知さんはこうしたイベントや展示を通して身の回りにいる生き物に少しでも関心を持ってもらいたいと願っている。 「都会にもまだまだ生き物たちがいますよ。 公園や学校、庭など生き物が暮らしていける自然が残っている場所はたくさんあります。ただ、どんな種類のものがいるのか、どうやって探していいのか、わからないだけです。」 と、天野さんは話す。
天野さんや同園のスタッフがこうした展示やイベントに力を入れるもう一つの理由は、10年前に比べて、昆虫採集など子どもたちの生き物と触れ合う機会が大きく減っていることだ。 それは子どもたちが生き物を嫌いだからでは決してない。 同園の行っている「身近な生き物探検隊」においても、はじめは恐る恐る虫やその他の生き物を探していた子どもたちが、慣れてくると見つけることに夢中になり過ぎて決まって予定の時間をオーバーする。 「子どもたちは生き物に大変興味をもっています。 生き物の種類や生態などこちらが驚くほどの知識をもった子どもがいるぐらいです。 ただ一方で、実際に見たり、触ったりといった体験をしたことがほとんどない。 これでは本当に生き物について知っているとはいえません。 子どもたちに限ったことではなく、できるだけ多くの方々に生き物と出会い、触れ合う機会をもって欲しいと思います。」 と話す天野さんは、これからも同園で身近な生き物を積極的に紹介していきたいという。 |
ひっそりと冬ごもりをする生き物たちの姿を少しだけ見せてもらう。
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さらに同園ではより幅広い年代に生き物のことを知ってもらうためさまざまな講演もおこなっている。 次回は鳥についての講演を2012年2月26日予定している。 |
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井の頭自然文化園の中に近所の自然を再現した「いきもの広場」が近々オープンする。 ここでは岩場や池、朽ちた木々などさまざまな自然環境を整えることで生き物に暮らしやすい場所提供している。 広場内には子どもたちといっしょにスタッフが入り、生き物の生態や探し方のコツを解説しながら生き物を見つけて回る。 さまざまな昆虫のほか、ニホントカゲやカナヘビ、ニホンヤモリなどが寒さ避けて岩陰や樹皮の下に隠れている。 ![]() |
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訪問日 2009年12月17日
「鳥々色々」特設展会場
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この特設展では、鳥と人の関係や鳥の生活、身体、飼育方法などを8つの研究室で解き明かしていく。
「実際に触れることで形の違いを感じられるように工夫したのが卵の模型です。 羽の模型で風の抵抗を試すこともできます。 人工のクチバシを動かして、人の手で鳥のヒナを育てる真似をするのも楽しいかもしれません。」 と、教育普及係長の天野未知さんは見ても参加しても面白い特設展について話す。
カラスの巣
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身近な鳥の投票をしたところスズメ、カラス、ハトが上位にあがった。 そこで、東京電力の協力を得て実現したのが珍しいカラスの巣の展示。これはカラスが送電用の鉄塔に作ったもので、卵が置かれる真ん中あたりは動物の毛や羽毛が敷かれている。 ただ、よく見るとビニール袋やタコ糸まで混ざっているから面白い。 小枝だけでなく洗たく用のハンガー もとってきてしまうから困ったものだ。 |
卵の色や形のわけウミガラスの卵は洋ナシのような形をしている。 ウミガラスの巣は海を見下ろす絶壁にあるため卵は丸いものより片方がとがった形のほうが転がり落ちないからだ。 さらに色や模様もそれぞれ違いがある。 これは多くのウミガラスが集まって卵を育てるため、他のウミガラスの卵と自分のものを見分けるためのようだ。 一方、オオフクロウの卵は丸くて真っ白。 オオフクロウの巣は樹の洞(ほら)にあるから転がり落ちる心配がない。 でも洞の中は真っ暗だから色は白色の方が卵の位置が分かりやすい。 |
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ニワトリの卵のふ卵器と転卵器
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ニワトリが生まれるまで21日間かかる。 実際に卵が入った温度を一定に保つふ卵器や卵の位置を定期的に変える転卵器を観察できる。 卵の中で育っているヒナの様子までのぞける。 |
これは凧鳥の模型ではなく実際に揚げて遊べる凧。 和紙や竹、ヒノキなどを素材にして精巧に作られる工芸品でもある。 新潟鳥凧同好会の協力でタンチョウヅルやハクトウワシなどの凧が天井に飾られている。 |
鳥の形をした凧
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フランスパンのお城
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訪問日 2009年12月17日
モズクガニ |
モクズガニの目立った特徴は、ハサミの毛と川に棲むカニの中で最も大きいことだ。 日本全国の川に生息していて、ツガニ、ヤマタロウ、ズガニなどと各地域で呼び名をもっていて食用としても人気がある。
大きな身体だからよく観察できるし、活発に動き回る姿は見ていてとても楽しい。 水生物館を訪れて、いったん目にすると子どもから大人まで夢中になってしまう。
水槽の上部には、カニの脱走を防ぐため高いアクリル板が取り付けられている。 |
「水槽から脱走したんです。 元気があるのはとてもうれしいのですが、他の展示に入って魚を捕まえたりしたら大変ですから。」 という飼育展示係の中村浩司さん。 今はツルツルと滑るアクリル板が脱走防止になっているそうだ。
モクズガニは小魚や水生昆虫を捕まえることもあるけど、主食は植物。 水生物館では煮た小松菜や水草を食べている。 約3~5年経つと成熟して、甲羅の大きさは7~8cmになる。
野生のモクズガニは、普段川に棲んでいて、卵は海で産むという不思議な生活を送る。 親ガニは産卵後死んでしまい、卵からかえったプランクトンのカニの子どもはある程度大きくなるまで海で過ごす。
モクズガニの水槽。 オイカワも一緒に泳ぐ。
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モクズガニが生きていくにはきれいな水が欠かせない。 だから東京では一時期ほとんどその姿を消してしまった。 でも最近になって、荒川や多摩川に少ないながらも生息していることがわかってきた。 葛西臨海水族園の周辺では産卵している姿も見かけるようになったという。 水生物館のモクズガニはアユやオイカワ、カジカといった淡水魚といっしょに暮らしている。 こうすることで自然に近い環境が再現できて、モクズガニや他の生き物たちのことを身近に感じることができる。
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タガメ
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話には聞いたり、図鑑で目にしたりするタガメ。 でも最近は実物を見たことがある人は案外少ない。 特に大人にとっては子どもの頃にいたあれだ、と思い出の水生昆虫になっている。 タガメの寿命は約2~3年。 メスは一回で100個ほどの卵を産む。 面白いのはその後で、卵がかえるまでの約10日間はオスが卵を外敵から守る。 子どものタガメは小さいながらも食欲旺盛で集団で小魚などを襲って食べる。 水生物館のタガメについて中村さんは 「オタマジャクシもいいエサですがいつもいるわけではないので、主に小魚をあげています。 夏は特に良く食べますよ。 多いときは一日に一匹ですから、タイミングが良ければ捕食シーンを観察できます。」 と話す。 また、水質にとても敏感で2週間に一度は水を入れ替えるそうだ。 |
ミズカマキリ
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タガメは主に西日本の暖かい地方に生息していて、関東では茨城県と栃木県にかろうじて生き残っているだけだ。 水生物館のある井の頭公園にも昔はいたという。 でも、生息できる田んぼが減り、エサもいなくなり、さらに冬を越すのに必要な枯れ葉でおおわれた土地も無くなってついに姿を消してしまった。 水生昆虫で絶滅が心配されているのはタガメだけではない。 ゲンゴロウもまた生息地の減少でどんどん数が減っている。
哺乳類や爬虫類に比べて、タガメやゲンゴロウ、タイコウチ、ミズカマキリといった水生昆虫は目立たない存在。 「大きな哺乳類のように身体の不調を訴えるわけではありませんからね。 こちらがわずかな動きの変化を読み取って一番棲みやすい環境を整えてあげるようにしています。 たとえ小さくても短くてもできるだけ長生きしてほしいから。」 という中村さん。 短い命をつなげながら懸命に生き続ける小さな命と身近にある自然の貴重さを、水槽の中でじっとして動かないタガメは現わしているようだった。 |
飼育展示係の中村浩司さん
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訪問日 2008年11月28日
ツシマヤマネコとは?まずヤマネコとは、野生に生息する小型の猫。 人間に飼われているイエネコや野生化したイエネコつまり野良猫はヤマネコではない、またライオンやトラなどの大型のネコ類とも区別される。 今のところ世界中で5種類のヤマネコがいる。 日本にいるヤマネコは、沖縄県西表島に生息しているイリオモテヤマネコと長崎県対馬に生息するツシマヤマネコ。 ツシマヤマネコはベンガルヤマネコの亜種。 約10万年前に朝鮮半島からツシマヤマネコの祖先は対馬にやってきた。 森の中だけでなく田畑にもときどき姿を現したことから対馬の人々は「トラヤマ」とか「トラネコ」と呼んでいた。 体長は、50cm~60cm、体重は3kg~5kg。 身体の特徴として、額に白と黒のしま模様があり、耳は丸く、後ろに白い斑点がある。 足は太くて短く、尾は太くて長い。 肉食性で、ネズミやモグラ、ヘビ、鳥、昆虫などを主に食べる。 また、イネ科の植物をときどき食べる。 これは胃の掃除や消化を助けるためではないかと考えられている。 かつては対馬全土に分布していたが、1980年代から数が減って今では島の南部、下島にはほとんどいなくなってしまった。 現在、上島と下島をあわせた島全体での生息数は、80~110頭と推測されている。 数が減った原因は、スギやヒノキの植林によりエサとなる生き物が少なくなったことや交通事故、イエネコからの病気の感染、犬に襲われるなどさまざまなことが重なっている。 |
ツシマヤマネコは絶滅の恐れが最も高い絶滅危惧種IA類に指定されている。 このため、環境省ではツシマヤマネコの飼育と繁殖計画を1996年からスタートさせた。 現在、環境省に協力してツシマヤマネコを飼育している動物園は、福岡市動物園、井の頭自然文化園、よこはま動物園ズーラシア、富山市ファミリーパークの4園。 将来生息地にもどすことを目標に、飼育しながら繁殖を進めていて全体で100頭まで増やす計画だ。 ただ、4園だけではとても計画の達成には足りない状況で、今のところ佐世保の動物園が新たな受け入れ先として予定されている。 これまでの繁殖状況は、はじめに福岡市動物園が対馬から送られたヤマネコ5頭を1999年から飼育しはじめ、現在はその数が23頭まで増えた。 そして、飼育下の災害や感染の危険を避けるため2006年に井の頭自然文化園とズーラシアに新たに個体を移動し、昨年11月から富山が新たに加わった。
今回特集する井の頭自然文化園は、野生で保護されたオス1頭と福岡市動物園で産まれたオス1頭、メス2頭を飼育している。
ツシマヤマネコを増やして野生に復帰させるためには専用の飼育施設や訓練が必要となってくる。 受け入れるための十分な施設が整っているとともにアムールヤマネコの繁殖に成功している実績から、井の頭自然文化園がツシマヤマネコの繁殖に参加することになった。 現在飼育されているオス2頭のうちの1頭、エビゾウ(推定4才)は弱って海岸沿いをふらふら歩いているところを近くの水産物加工場の人に保護された。 エビフライで気を引いたら近づいてきたのが名前の由来だ。
このエビゾウはファウンダーと呼ばれる貴重な個体。 つまりできるだけ野生のツシマヤマネコの遺伝子を増やすためエビゾウの子孫が大切になってくるのだ。 このためもう1頭のオス、トラジロウ(6才)は飼育下で兄弟が多いため繁殖には参加しない。
ツシマヤマネコは冬に交尾し、春から夏にかけて出産する。 エビゾウも準備のためリリー(4才)とサクラ(2才)とケージ越しにお見合いしている。 担当の飼育展示係・佐々木真一さんによれば、サクラとの相性がいいらしい。 しかし、野生の個体であるエビゾウは荒っぽいところがあり、ケガを避けるため今はいっしょにするタイミングを慎重に見極めている段階だ。
野生にできるだけ近い状態にするため基本的に佐々木さんだけが飼育にあたっている。 直接ネコたちと向き合うのも朝と夕方だけ。 そのほかはモニターで様子を観察する。 食べものは基本的に1日1頭に対して鳥肉150g、馬肉150gを与えている。 また、ニワトリの頭やネズミもあたえる。
「2年経っても慣れませんね。 近づくと運動場の隅でシャーと唸って威嚇します。 でも、モニターで観察していると、メスとオスで追いかけっこをしたり、リラックスして仰向けになったりして寝ている姿はイエネコのようにカワイイですよ。」 と佐々木さんはネコたちの普段の様子を語る。 それでもやっぱりヤマネコだなぁと観察していて感じる時がある。

例えば爪。 先端が細くするどく尖っていて、まるで指先に釣り針をつけているようだという。 また、エサのネズミをくわえて空中に何度も放り投げて遊んでみたりする行動もときどき眼にする。
「肉だけを食べるヤマネコが野生でまだ生き残っていることは本当に不思議。 雑食ならまだ想像できますが、今の日本の環境でエサとなる生き物を探すのは困難ですからね。」 と、佐々木さんはツシマヤマネコを増やすことに責任を感じながら、その生息地の保護の大切さも伝えていきたいと考えている。
展示場の中でのんびり日向ぼっこを楽しんでいるのはトラジロウ。 人間が近づけないことをちゃんと知っているからで決して人間慣れしているのではない。 トラジロウの役目は井の頭自然文化園を訪れる人々にツシマヤマネコのことを良く知ってもらうことだ。
井の頭自然文化園では今年11月に対馬見学ツアーも開催。 参加者はヤマネコの保護にあたっている対馬野生動物保護センターを訪れるとともに、ヤマネコの棲みやすい環境を作るためどんぐりの苗を植えるなど対馬の自然にじかに触れる体験をした。 また、ヤマネコミニ講座を行ってその参加者から「ヤマネコへの手紙」という作文を募集し、優秀作品を書いた小学生3名を対馬へと招待した。
教育普及係長の天野未知さんは 「トラジロウを実際に見てもらうことでより多くの人にツシマヤマネコのことを知ってもらえるようになったと思います。」 として、ツシマヤマネコの知名度とその生態についての理解に役立っているトラジロウの存在に感謝している。
井の頭自然文化園では2月22日(ネコの日)に講演会を予定している。 また、展示舎前でのスポットガイドも随時行う予定。
ツシマヤマネコの故郷対馬でももちろん保護活動は進んでいる。 環境省の対馬野生生物保護センターはその拠点のひとつだ。 同センターは、生息数や分布域の調査、事故や病気で保護されたヤマネコを収容し、リハビリを行って野生に戻す取り組み、対馬の自然環境の豊かさを知るための自然観察会やシンポジウムなど幅広い活動を行っている。
野生のツシマヤマネコ。 木の上にいるのはチョウセンイタチ。 数が減りつつある。 奥にいるのはツシマテン。 ツシマヤマネコに襲われることもある。 |
同センターの佐々木 真二郎自然保護官は、 |
地元の人々とヤマネコとのつながりについて対馬市役所の自然共生課の玖須博一さんは 「集落にときどき姿を見せて、鶏を襲って食べるなど被害が起こっています。 反面守りたいと考えている人たちはトラバサミやカゴ罠にかかったヤマネコの世話をするなど本当に熱心に保護活動に取り組んでいます。」 と話し、野生のヤマネコと人との共生が単純なものではないことを指摘する。
「わたしの家の庭先にも夜中ときどき姿を見せます。 何のためかはわかりませんが、うれしいですね元気な姿を見ると」 と玖須さんは豊かな自然が対馬残っていることが保護する上で大切だと考えている。
玖須さんやNPO法人「ヤマネコを守る会」は井の頭自然文化園で講演会を行うなど全国の人々にツシマヤマネコの大切さを伝えている。
昨年、23年ぶりに下島でツシマヤマネコが確認された。 生息域が広がっていると断定はできないが、保護活動の成果が現れつつあるのかもしれない。
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ハヤブサの仲間、ニシアカアシチョウゲンボウのチョウスケは五年前に保護された。 日本の在来種ではなく、渡り鳥でもないことから飼われていたものが逃げたか、離されたと考えられる。 チョウスケは人間に慣れていてとてもおとなしい。 |
フェネック |
訪問日 2008年3月4日
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井の頭自然文化園の水生物館では、身の回りにいる小型の魚や水生昆虫など日本の淡水生物を観察できる。 もともと井の頭自然文化園では地元の自然と生き物を大切に保全することを展示の中心としていたため、国際カエル年の活動は、当園の得意とする分野である。 生活排水による水の汚れや河川改修による生息域の減少により、今ではそこら辺の生き物が “珍しい生き物” になってきてしまった。 水生物館飼育係 荒井寛さんは、 加えて、水面がつながっていないことをその理由としてあげている。 |
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「生息地域の環境が悪化すれば、他へ移ることが考えられるし、繁殖や産卵のために移動する場合も少なくないのですが・・・」、 |
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国際カエル年の取り組みとして、今、繁殖・飼育しているのは、ツチガエルとアカハライモリだ。 ジャンプ力がそれほどなく、おとなしいツチガエルは、飼育しやすい。 オタマジャクシから成長して陸に上がってきたものだけでも200匹以上飼われている。 また、なるべく地元にいる普通の種類を守ろうというねらいから、アズマヒキガエルも繁殖中だ。 どこにでもいるヒキガエルと思いきや、飼育はツチガエルよりも難しい。 ヒキガエルは乾燥に弱く水辺が必要だ。 しかし子供のヒキガエルは溺れてしまうため、陸場も作る必要があり、意外と手間がかかる。 さらに、関東地方ではよく見られたはずのアカハライモリの繁殖にも取り組んでいて、葛西臨海水族園とともに生息地の保全に力を入れている。 |
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この他にもモリアオガエルやニホンアマガエルなど様々なカエルが展示されていて、中でも人気なのがウシガエル。 4年ほど前に、吉祥寺の民家で見つかったもので、巨大な姿が人気をよんでいる。 時々、ネズミを一匹丸ごと食べないと痩せてくるほど食欲が旺盛で、普段は一緒に水槽にいるアメリカザリガニを食べている。 以前指にあったデキモノが治療されて、今は元気いっぱいだ。
ウシガエルとともに注目なのが、天然記念物のミヤタナゴや埼玉の熊谷市にしかいないムサシトミノなどの小型の魚だ。 でも、小さくて目立たないためチラっと見て通り過ぎてしまう人が多い。 そこで、数種類の水草を植えたり、石の置き方や照明などのデザインを考えて水槽全体の展示を見飽きないよう工夫している。
長年目立たないが貴重な水生生物に接してきた荒井さんは 「国際カエル年をきっかけに、水生生物やその周りの環境全体に目を向けてもらえれば」 としている。
井の頭自然文化園では、今後国際カエル年の様々な特別展示を企画していている。
井の頭自然文化園の人気者、ゾウのハナコは、戦後初めて(1949年)日本にやってきたゾウさんです。 現在日本にいるゾウの中で、ご長寿第2位。 2007年で60歳になりました。 その年の敬老の日には、動物園で還暦をお祝いするパーティーがおこなわれました。
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ここだよ! どこ?ミズグモが見られるのは、井の頭自然文化園だけ!
おしりの穴で息が出来るから、空気の泡をおしりにくっつけている。 水中ドームを糸で作って、完全に水中生活が出来るのだ。 水泡が銀色に輝いてきれいだから、お父さんもうっとりして見入っていたよ。 |
ニホンリスはどこかな?大人も夢中になって探していたリスの小径の中にはニホンリスがいっぱい放されているんだけど、木陰にかくれてるから探すのが大変。 よく見てごらん。 ほら、そこ。 |
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動物達との触れ合いだっこさせてもらえるんだよモルモットのむくむくした体。かわいいなぁ。 背中をなでると気持ち良さそうな顔をするんだ。 「早く撮って!」と撮影に忙しいお父さんにプンプンの子供もいた。 その間、モルモット君は子供の手の下でひしゃげてかわいそう。 |
生粋の日本人!小さくて、まるでタヌキたぁ~い。ニホンアナグマは、この日暑かったからバッタリ。 でも時々体をむくむく動かすのが可愛いのだ。 毛皮は黄金色に輝いて、日本動物離れした美しさ。 |
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シベリアからのお客様昼間はねむいのだアムールヤマネコは、暑い日は苦手。 なんてったってシベリア出身でありますよ。 東京の暑さはこたえるニャ~、とぼやいておった。 でも写真を撮るにはいいかもね。 |
小さい動物園の人気者子供がなでたがるのだ本園の中央には大放飼場がある。 ここでも動物と触れあえるぞ。 ここのニワトリは頭の毛がアフロヘアーなのだ。 ヤギに餌をあげて女の子は大満足。 でもなんでヤギは人間から餌をもらいたがるのかな。 その辺にもたくさん散らばっているのに。 |
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彫刻の森北村西望さんの作品なのだ
トカゲ太郎も、ちょっと一休み。 |