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石垣島のサンゴ礁 環境省 国際サンゴ礁研究・ モニタリングセンター |
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(訪問日 2009年4月27日)
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石西礁湖のサンゴの被度(サンゴが海底をおおっている割合)は80年代以降減少している。 そのおもな理由は三つある。 ひとつはオニヒトデやシロレイシガイダマシ(巻貝の一種)による食害。 二つ目は赤土の流出。 そして白化現象だ。
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オニヒトデ
オニヒトデは1970年代から80年代にかけて大発生した。 その後駆除を行った結果、90年代には被害が一時減少したものの近年また増えてきている。 今も駆除努力は行われていて、駆除されたオニヒトデは粉砕して肥料などに利用されている。 ただ、オニヒトデがなぜ大発生するのかはっきりとした原因はわかっていない。 また、オニヒトデがサンゴを食べることで逆に海の生態系が維持されているのではないかなど、まだまだオニヒトデの生態やサンゴとの関係について研究する必要がある。
赤土流出
サンゴ体内に共生している褐虫藻はサンゴの成長に欠かせない。 しかし、赤土流出によってサンゴが土砂におおわれ褐虫藻の光合成がさまたげられるとサンゴは弱り最後には死んでしまう。 台風や大雨による赤土流出を食い止めるためには、さとうきび農家など人々の努力が欠かせない。 畑の周りに多年草の月桃(ゲットウ)を植えたり、土をためる沈砂池を作ったり、今さまざまな方法が試みられている。
白化現象
2001年に石西礁湖全体の約30%が白化し、3.5%のサンゴが死滅してしまった。 白化は海水温度が上がって褐虫藻がサンゴから抜け出してしまうことから起きる。 これまでの研究によれば、白化はサンゴの種類によって違い、枝状の方がかたまり状のサンゴに比べて白化が起こりやすい。 また、褐虫藻は種類によって高温に強かったり弱かったりすることなどがわかっている。 さらに高温に適応するために褐虫藻をサンゴが身体からわざと放出している(光合成の効率を上げるため)ことも解明されている。 だが、あまりにも急激な海水温の変化にサンゴはついていけない。 このため1998年以降、世界中の白化によるサンゴの死滅はオニヒトデの被害をはるかにしのいでしまった。 サンゴ礁とその生態系に白化がどのような影響をもたらすのかもっと詳しく解明される必要がある。
サンゴは炭酸カルシウムで骨を作る。 さまざまな種類のサンゴがたくさん集まってできあがるのがサンゴ礁だ。 サンゴ礁の中にはいろいろな生き物がすんでいて、海の森といっていい。 だからサンゴ礁がなくなると魚のすむ場所が失われて獲れる魚の種類や量が減ってしまう。
石垣島には年間70万人の人々が日本全国から集まってくる。 そのほとんどがサンゴ礁に魅かれてダイビングやシュノーケリングを楽しむ。 サンゴ礁とそこに集まる生き物の美しさはかけがえのない宝だ。 さらにサンゴ礁は高波や津波から陸を守る自然の防波堤にもなっているなど、その役割は人間にとっても自然にとってもはかりしれない。
サンゴ礁のモニタリングとは、同じ調査地点で時間をおいて繰り返し調査を行うこと。 観察する人がボートに引っ張られながら広い海域でサンゴがどのくらい広がっているのか見る方法や調査する海底を一定の範囲に限り、サンゴの種数や広がり、成長の度合などを詳しく記録するやり方などさまざまな手法が行われている。
環境省石垣自然保護官事務所の自然保護官補佐・佐藤崇範さんはモニタリングの様子について「同じ種類のサンゴでも枝ぶりの太いもの細いもの、色、かたちなど海域によってさまざまです。 波の流れや光の当たり方で成長がまったく変わってきますから。 サンゴの種類を見分けることもとても難しいですね。」 として、ひと口にモニタリングといっても訓練された目と知識が欠かせないようだ。
佐藤さんはまた調査中に見かけたオニヒトデの駆除も行っている。 「駆除は大事ですが、根絶することはまず不可能です。 それよりオニヒトデがサンゴ礁の中で果たす積極的な、何かしらいい役割を見つけることもこれから考えるべきでしょうね。」 として、サンゴ礁だけでなくそこにすむ魚やエビ、カニなどいろいろな生き物をふくめた生態系全体の理解を深めたいと感じている。
環境省那覇自然環境事務所の自然保護官・佐藤大樹さんは、調査結果をもとに国立公園内の保護を具体的に進めている。 「船から錨(いかり)を落とすときなどサンゴを傷つける恐れがあります。 また、大きな波に弱いサンゴを守るため大型の船の航路に気をつける必要があります。 赤土だと陸から川にかけて目を向けなければなりません。 だから漁協や港湾、農家などいろいろな人と会って話をすることが多いですね」 と、地元の人々との交流が保全につながることを強調する。
また、佐藤さんの大切な仕事の一つが国立公園の管理の計画作りだ。 調査結果によって、例えば貴重なサンゴの群生が見つかった場合、特別保護区に指定するかなどの提言をする。 規制の度合が変わってくるだけにさまざまな人々から意見を聞く必要がある。 一方、生活排水やごみ捨てなど生活に身近な努力も必要だ。
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現在モニタリングセンターの中心事業のひとつが、石西礁湖自然再生だ。 これは国立公園指定当時(1972年)の姿にサンゴ礁をもどすことだ。 その計画の中にサンゴの移植がある。 これはサンゴの幼生が着床具(ちゃくしょうぐ)にくっついて、ある程度育ったあと他の場所に移植するやり方だ。 これまでのところ種類によってうまく育たなかったり、移植後に死んでしまったりするなど困難はあったものの、次第にその成果が出てきているようだ。 |
サンゴの幼生がくっつく着床具
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| 1 | カクレクマノミのいるスギノキミドリイシ(枝状) | 8 | パイプウニ |
| 2 | 黄色のアナサンゴモドキ(枝状) | 9 | オニダルマオコゼ |
| 3 | アオブダイ | 10 | ヒラノウサンゴ(かたまり状) |
| 4 | スベスベマンジュウガニ | 11 | フエヤッコダイ |
| 5 | リュウキュウキッカサンゴ(葉状) | 12 | クシハダミドリイシ(テーブル状) |
| 6 | ハナミノカサゴ | 13 | オレンジの筋のクサビライシ |
| 7 | ルリスズメダイ | 14 |
マンタの下あたりにあるスリバチサンゴ(桶状) ハチノスハナガササンゴがその周りを覆っている。 |