トカゲ太郎のワンダー・ワールド
アフリカライオンの未来
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2014年 3月31日

消えゆくライオン

アフリカライオンは今や絶滅の危機に瀕している。まだ35000頭ほどが生息しているが、この数は危機的な低いレベルであるといってよい。約15年前、南アフリカだけで15000頭いたものが、今や2000頭以下にまで数が減ってしまった。また、最近になってニシアフリカライオンと他のアフリカライオンとは遺伝的に違うことが明らかになった。そんな貴重なライオンであるのに、ナイジェリアやブルキナファソ、ベニンなど西アフリカの国々に250頭ほどのニシアフリカライオンが何とか生き残っている状況だ。

人とライオン

ライオンが姿を消している理由はアフリカのほとんどの地域で同じだ。人口の増加と農地開発が人間とライオンの争いの元になっているのだ。つまり土地が人間にとってもライオンにとっても足りていないのだ。結果的にボツワナとケニアで多くのライオンが毒入り肉によって命を奪われた。毒入り肉は駆除としては最悪の方法といっていい。ハイエナやチーターなどの他の捕食動物まで巻き添えをくうからだ。ハゲワシも死んだライオンの肉を食べることで命を落とす。毒入り肉によって起こる損害の広がりは避けがたいもので、すべての捕食動物に影響している。

けれども、毒をまいた人々を非難することはできない。ヒツジやヤギ、ウシなどの家畜をライオンが食べるため農民もまた被害を受けているからだ。農民は財産である家畜を守るためライオンに対抗するしかないのだ。でも、ライオンもまた生きていくためやむを得ない状況に置かれている。家畜が簡単に捕まえられる獲物であるだけでなく、野生の獲物の数が減ってしまっているのだ。また、ライオンの脅威のため家畜たちの体重が落ちてしまい、肉質が低下する事態も起こっている。それでも、被害を最小限に抑えることに成功している熟達した農民もいる。ライオンはふつう夜間に家畜を襲う。家畜がパニックを起こして囲いから飛び出し、藪の中に入ったところを狙うのだ。ライオンのこうした 攻撃を防ぐには囲いに使う材料がとても重要になってくる。トゲのある灌木を囲いに使うことで劇的な効果があり、囲いの出入り口は丸太などの頑丈なものにすることも有効だ。また、囲い近くに人間がいることでライオンが近づきにくくなることも考えられる。さらに、犬はライオンが近くにいることを知らせてくれる。

一方で家畜を決して襲わないライオンもいる。家畜を襲わないライオンのほとんどが襲うものより多くの子孫を残すことに成功している。襲うライオンと襲わないものの違いが何なのか、まだはっきりとした原因はわかっていない。狩りがうまくできない若いライオンが家畜を襲うと考える人や家畜の肉の味を覚えたライオンが繰り返し襲うと考える人もいる。そうした憶測がある一方で、家畜襲撃は野生動物の移動の季節と関係しているようだ。

野生動物保護区のライオンたち

アフリカには多くの野生動物保護区があるが、それらを管理することは並大抵ではない。中国で薬とされているトラの骨の替わりにライオンの骨が取引されるようになり、今密猟者の狙いはライオンだ。けれども、ごくわずかな人数で保護官は広大な保護区を見回らなければならない。監視の目が行き届いているとはとても言えない状況だ。この他にも問題はある。保護区の外に暮らすライオンたちは保護区内のライオンと同様に大切な役割をもっている。外部のライオンがいなければ保護区内のライオンたちはその遺伝子の多様性を保てないからだ。だが、当然ながら保護区外のライオンは密猟者の脅威に対して弱い立場にある。

アフリカライオンが直面している危機の背景にはアメリカやヨーロッパ連合、日本などの先進国と中国があることを忘れてはならない。アフリカの国々の農作物はほとんどそれらの先進各国に輸出されている。