トカゲ太郎のワンダー・ワールド
オオカバマダラ
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大移動する蝶    ― オオカバマダラ ―

北への旅

オオカバマダラはまるで渡り鳥のように大移動することで知られている。 3月下旬、ロッキー山脈の東側に生息するオオカバマダラは冬を過ごしたメキシコを出発し北に向かう。 4月のはじめにはアメリカ東南部のフロリダ州や南西部のテキサス州に到達し、トウワタなどガガイモ科の植物に卵を産む。 そして産卵がすむとまもなく一生を終える。 でも、卵から孵り成長し、成虫になった次の世代のオオカバマダラがさらに旅を続けるのだ。

5月末なると夏が近づき気温が上がってくる。 暑さが苦手なオオカバマダラは引きつづき北へ北へと向かう。 オオカバマダラは途中で何度か卵を産み、世代交代を繰り返しながら旅を続ける。 そして6月のはじめごろ、オオカバマダラたちはカナダ南部に到達し大移動はついに終わる。 ふつうオオカバマダラの寿命は約1ヶ月足らずだ。 このため到着地のカナダで、親のチョウが産卵してその一生を終え、幼虫が孵りサナギになって羽化する、という過程を2~3度繰り返す。 そして8月の末、今度は南への旅が再び始まる。

オオカバマダラ
メス(左)は翅脈(しみゃく)が黒くはっきりしている。オス(右)は後翅に黒い斑点がみられる。
  オオカバマダラ
オスの後翅にある黒い斑点
オオカバマダラ


トロント・トミートンプソン公園
トロント・トミートンプソン公園は五大湖の一つであるオンタリオ湖につきでている半島にある。
ここでは夏の間多くのオオカバマダラが観察できる。
  トロント・トミートンプソン公園
オオカバマダラとその生息地は、大切に保護されている。


南への旅

10月末、オオカバマダラはテキサス州あたりまで到達する。 ここでトウワタやキク、黒ニンジンやアルファルファなどの花の蜜を吸って栄養をつける。

11月の半ばごろになると、数億というオオカバマダラがメキシコ中部にあるミチョアカン州にやってくる。 その年の夏から数えた最後の世代のオオカバマダラたちは産卵をせず、約7ヶ月間は生きる。 チョウたちは身を寄せ合って巨大な固まりとなり、メキシコギンモミなどの木にとまって翅を休める。 こうしてオオカバマダラたちは冬を越し、次の年の大移動にそなえる。

オオカバマダラのたまご
卵は3~5日で孵る
  オオカバマダラの幼虫

幼虫の食べ物のトウワタなどガガイモ科の葉は毒性がある。 このためこれを食べて成長するオオカバマダラの幼虫もまた毒性をもち、天敵となる鳥や他の昆虫に捕食されにくくなる。 幼虫の体の模様は、毒をもっているぞと天敵にアピールしていると考えられている。 さらに成虫のオオカバマダラも毒性がある。 幼虫は5cmぐらいまで成長し、2~3週間でサナギになる。

  オオカバマダラのさなぎ
オオカバマダラのさなぎ
オオカバマダラ

オオカバマダラ
メスのオオカバマダラ
オオカバマダラ
公園内にはトウワタが群生している。
ほら、そこにオオカバマダラがいるよ。白いまるの中をご注目。
Movie of Monarch Butterfly


ロッキー山脈の西側に生息するオオカバマダラ

地図にあるようにロッキー山脈の西側では、オオカバマダラはおもにカリフォルニア州のパシフィック・グローブで冬を過ごす。

北米以外にも、オオカバマダラはいる。 生息地は、ハワイやニュー・カレドニア、ニュージーランド、オーストラリア、ニューギニア、インド、そしてカナリア諸島など広範囲におよぶ。

オオカバマダラ
アザミの蜜を吸うオオカバマダラ
  オオカバマダラ
オスのオオカバマダラ
 
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