トカゲ太郎のワンダー・ワールド
北アメリカの野生動物
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毛皮目当てのため   ― オセロット ―

オセロット
トカゲ太郎
トカゲ太郎

北アメリカには6種の野生ネコが暮らしていて、オセロットはその中の一種だ。でも、アメリカでオセロットを見つけるのはとっても難しい、おそらく南テキサスとアリゾナの南部にのみ生息いていると考えられる。身体の大きさはボブキャットよりも小さくて、尻尾をのぞいた体長は75cmほどだ。オセロットの爪は出し入れ自由であるため、木を登ったり降りたりするのに適している。一方、オセロットの天敵のピューマやボブキャットはそのような爪を持っていないためオセロットほど木登りがうまくない。

オセロットはその毛皮目当てに捕獲されたため、当然その生息数は減っていった。現在は捕獲が法律違反となり数は回復しつつあるが、北アメリカにおいてはまだ50頭ほどの野生のオセロットがいるにすぎない。生息地の環境の悪化が最も深刻な問題だ。また車にはねられて命を落とすものもいる。

オセロットは樹木が深く生い茂る場所に暮らしていて、昼間は木の枝の上や樹洞の中で休んでいる。オセロットはネズミやウサギ、小鳥を捕まえるほか、中南米に生息しているものはアルマジロやリスザル、陸ガメなども食べてしまう。中南米のオセロットの生息地は熱帯林のほか砂漠に近い乾燥地、河岸域などのいろいろな自然環境に適応して暮らしている。

 

まだ頑張っています   ― ニシバージニア・キタモモンガ ―

ニシバージニア・キタモモンガ
トカゲ太郎
トカゲ太郎

ニシバージニア・キタモモンガは1985年に絶滅危惧種に指定された。その当時、バラバラになった生息地域で見つかったニシバージニア・キタモモンガはわずか10頭だった。約1万年前に氷河が溶けて後退したため、ニシバージニア・キタモモンガは他のキタモモンガから分かれてしまった。この出来事がニシバージニア・キタモモンガを特有な種としたようだ。

古木が多く長い年月を経てできた森林がニシバージニア・キタモモンガにとって最も適した棲みかになる。なぜなら、大きな樹木の洞(うろ)は巣として使いやすいからだ。木材産業によって生息地の面積は減っただけでなく、分断されて点在するようになってしまった。約1100頭まで生息数は増えてものの、今は気候変動がその回復に対する脅威になっている。

ニシバージニア・キタモモンガは夜行性の動物であるとともに、冬でも活発に動き回る。主に数種のキノコや地衣類を食べている。また、種子や樹液、昆虫も採食する。冬眠をしないため、樹木の洞や自らの巣に地衣類や種子を貯める。

フクロウやタカ、イタチ、キツネなどに捕食される。一方で、樹木に栄養や水分を与えるキノコ類の胞子をまき散らす役割を担っている。



 

ガラガラ音にご注意   ― ガラガラヘビ ―

ガラガラヘビ
トカゲ太郎
トカゲ太郎

すべてのガラガラヘビの仲間は北アメリカと南アメリカにのみ生息している、両大陸の固有種だ。クサリヘビ科に属していて、すべてのガラガラヘビの種が毒をもつ。約30種がいまのところ確認されている。その特徴は三角形の頭と尻尾の先端部分にあるガラガラと音の鳴る角質だ。

ガラガラヘビの生息環境はさまざまで、砂漠や草原、森林、そして湿地などだ。かれらの食べ物はネズミなどのげっ歯類や小鳥、トカゲ、昆虫など。ガラガラヘビは天敵や見知らぬ動物がかれらに近づくと、尾の先を震わせることでガラガラという警告音をたてる。

若いガラガラヘビはカラスやアライグマ、イタチ、コヨーテ、キングヘビなどの天敵に対して狙われやすい。

アメリカでは年間約7000から8000人の人々が毒ヘビにかまれている。でも、毒ヘビにかまれたことによって死亡するケースはとてもまれだ。それらの毒ヘビ被害のうち約20%がドライバイトであるという。ドライバイトとは、被害者の肉体に毒が流し込まれていないことを意味している。



 

アメリカの白いカブト   ― グラントオオカブト ―

グラントオオカブト
トカゲ太郎
トカゲ太郎

グラントオオカブト(グラントシロカブト)はカブトムシにしては珍しく全身緑がかった灰色をしている。アメリカのアリゾナやニューメキシコ、ユタの各州とメキシコ北部に生息している。オスの角を含めた体長は約5cm~8.5cm。8月から9月にかけて成虫が陸上に姿を現す。成虫の寿命は3~6カ月。成虫はおそらく樹液をエサにしていると考えられている。

成虫になる前、幼虫は1年から2年間地中で暮らす。幼虫は腐蝕した樹木を食べるが、樹木の種類はセイヨウキザクラやナラ、マツ、ヤナギと様々だ。夏の終わりごろに幼虫はさなぎへと変態し、その後3回脱皮を繰り返す。サナギは1~2か月で成虫に変わるが、成虫になってもそのまま地中にとどまり冬を越す。

ところで、日本のカブトムシは中国、韓国、台湾にも生息している。英語名は Japanese Rhinoceros Beetle. 昆虫採集はアメリカの子どもたちにとって、日本の子どもたちのように一般的ではないようだ。



 

奇襲狩人 ピューマ

マウンテン・ライオン
トカゲ太郎
トカゲ太郎

ピューマまたはマウンテン・ライオンはカナダ北西部から南米までの広い地域にかけて生息していて、フロリダの一部にもいる。 ピューマはミュールジカやワピチ、ヘラジカなどの大型哺乳類からアメリカヤマアラシやノウサギ、ネズミなど、小型のものまで様々な種類の動物を獲物にしている。

ピューマは獲物をめぐってハイイロオオカミやアメリカクロクマ、ハイイログマなどの大型肉食獣と競争している。 身体の大きさはほとんどの大人のピューマが2mを超え、強力な後ろ脚によってかなりの跳躍力をもっている。 このためピューマが恐れるのは、オオカミの大きな群れかクマのみで、特にオオカミたちの存在はピューマの行動や生息数に影響を及ぼしている。

ピューマは森林から岩場の多い砂漠まで、いろいろな自然環境に適応して生活できる。 このためその縄張り内に棲むシカなどの獲物の生息数はピューマによって大きく変わる。 ピューマはまたコヨーテやボブキャットなどの小型の肉食獣も仕留める。



 

大きなほっぺのホリネズミ

ホリネズミ
トカゲ太郎
トカゲ太郎

ホリネズミは北米から中央アメリカにかけて広く分布している。 プレーリードッグやグラウンドホッグと同じように地下に巣穴を作るネズミの仲間だ。 身体の大きさは25cmほどで、その種類は30種以上にもおよぶ。 特徴は大きな前歯と食べ物を蓄えられる頬の袋だ。 ホリネズミは肉をまったく食べない。 主食である木の根っこや枝、葉を、頬の袋いっぱいに詰め込んで巣穴の中にまで運び入れて貯える。

柔らかい土が好きなホリネズミは、畑で野菜を荒らすことから害獣と見られる場合もあるけど、土を耕す役割ももっている。 またホリネズミはエサとして食べられることで、スカンクやアメリカアナグマ、ボブキャット、コヨーテといった肉食哺乳類、タカやフクロウなどの猛禽類、大型のヘビなど多くの命を支えている。



 

大怪獣ガメラはまだ健在    - ワニガメ -

ワニガメ

ワニガメは、北米の淡水に生息するカメの中で最大。 甲羅の長さが40~80cm、そして重さは18~100kgもある。 現在生存しているカメの中で一番近い種類はカミツキガメだ。 ワニガメの甲羅はカミツキガメのと比べるととてもザラザラ、ゴツゴツしている。 東はフロリダ州、西はテキサス州、そして北はアイオワ州にいたる広い範囲に生息している。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

ワニガメは湖や川、運河、沼の底にたまる泥のなかに深くもぐっている。 獲物を積極的に捕まえることもするし、ほかの生き物の死骸を食べたりもする。 日中は泥の中に隠れてすぐそばを獲物が通るのを待つ。 魚を誘うために舌にミミズのような疑似えをもっている。 主な獲物はサカナやザリガニ、カエル、ヘビなどのほか、他の種類のカメ、小型の哺乳動物、そして水生植物など。 飼育されているワニガメは70年も生きる。

ワニガメと同じ仲間の最古のカメは、7000万~6500万年前に北アメリカに生息していた。 今は絶滅してしまったが、その化石はモンタナ州で見つかっている。 また、ほかの種類のワニガメの化石もアジアやヨーロッパで多く見つかっているが、すべて絶滅してしまった。



 

数ヶ月は何も食べなくても平気なのだ    - アメリカドクトカゲ -

アメリカドクトカゲ

確かに毒をもつヘビは世界中にいるけど、毒をもつトカゲというのはどうだろう? 実は今のところたった2種類が確認されているだけ。 アメリカドクトカゲとメキシコドクトカゲだ。 ただ、オーストラリアにいるオオトカゲの仲間やイグアナも口の中に毒をもっているようだ。 でも、これらのトカゲの毒がいくら危険であるとはいっても人間を死に至らしめることは極めて稀だ。 それどころかアメリカドクトカゲの唾液の成分をもとに糖尿病の治療薬が作られている。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

アメリカドクトカゲはアメリカの南西部からメキシコの北西部にかけて生息している。 体長は約60cm。 アメリカドクトカゲは2つに分けられていて、南部に棲むトカゲをアミメアメリカドクトカゲ、北部に棲むトカゲをオビアメリカドクトカゲと呼ぶ。 生息地の環境は、低木地や草原が点在する砂漠、草原地帯など。 また、身を隠すための砂や砂利、岩も必要だ。

アメリカドクトカゲは、鳥、卵、トカゲやカエル、そして小型の哺乳動物を捕って食べる。 生息地の気候が厳しいため、尻尾に脂肪を蓄えることができる。

アメリカドクトカゲの仲間には白亜紀後期に絶滅したトカゲがふくまれる。 さらに、現存しているアメリカドクトカゲの仲間は、その当時から姿かたちがあまり変わっていない。 だから、アメリカドクトカゲはよく生きた化石と呼ばれるんだよ。



 

オーロラの空の下で    - ホッキョクオオカミ -

ホッキョクオオカミ
トカゲ太郎
トカゲ太郎

グリーンランドの北部、そしてカナダとアメリカの北極圏は、ホッキョクオオカミの棲みかだ。 生息地の気候は極めて厳しい。 最低気温が-50℃まで下がることもあり、冬の4ヶ月間は闇に閉ざされる。 このような環境の下ではエサとなる獲物はかなり限られてくる。 だからホッキョクオオカミは広大な縄張りを持ち、特に秋から冬にかけてトナカイやジャコウウシの群れを追いかけて常に移動する。

ホッキョクオオカミが狩りをする時は2頭から20頭の群れで行動する。 じっくり時間をかけて獲物を追うため、かなりのスタミナがいる。 そして大きな獲物に追いついたら首下に力強く噛み付き、チームワークで倒してしまうのだ。 主な獲物はトナカイやジャコウウシだが、レミングやホッキョクウサギ、アザラシ、鳥なども捕まえる。 ホッキョクオオカミが暮らす北極圏は獲物が本当に限られた極寒の地だ。 だから、ホッキョクオオカミは捕えた獲物の皮、毛皮、骨など、何ひとつ残すことなくきれいに食べてしまうんだ。

ホッキョクオオカミの写真はこちらを クリック!



 

ミシシッピ川の総大将    - ブルー・キャットフィッシュ(Ictalurus furcatus) -

ブルー・キャットフィッシュ
トカゲ太郎
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アメリカナマズは北アメリカでよく見かけるナマズだ。 川、湖、沼地などの淡水に棲んでいて、生息域はカナダ南部からメキシコ北部にかけての広い地域におよぶ。

アメリカナマズのヒゲと鼻は獲物の匂いにとても敏感だ。 泥で濁った真っ暗な水の中でも獲物の位置を察知することができる。 ミミズやコオロギ、小魚、ザリガニ、カエルなど様々な生き物が獲物だ。 アメリカナマズは釣り針につけられた石鹸にさえ喰いついてくるから、釣り人に人気の魚であることもうなずける。 養殖も行われていて、アメリカで最も食べられている淡水魚だ。

北アメリカのナマズの中で最も大きい種類のひとつがブルー・キャットフィッシュ(Ictalurus furcatus)だ。 オハイオ川、ミズーリ川、テキサス川などの支流を含めたミシシッピ川の流域に生息する。 体長は1mを超え、重さが45kmほどに成長する巨大ナマズだ。 魚、ザリガニ、貝、カエルなど、見つけた獲物はなんで丸呑みにしてしまう。



 

狼たちの衝撃

オオカミ
トカゲ太郎
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1995年、イエローストーン国立公園にオオカミが帰ってきた。 カナダ生まれの14頭の野生オオカミを国立公園に再び放して以来、公園内の生態系は様々なかたちで変った。

冬の間、オオカミたちの獲物のほとんどがエルク(ワピチ)だ。 このためオオカミの頭数が増えるにつれてエルクは減る。 すると公園内の植生に変化が起こった。 エルクがいなくなった地域でそれまでほとんど観察できなかったポプラやヤナギ、ヤマナラシなどの植物が豊かに育ち始めたのだ。 また、獲物をめぐってライバルとなるコヨーテをオオカミが排除するこどで、公園内のコヨーテの頭数が減った。 すると、コヨーテはオオカミの縄張りを避けるように自分たちの生息地を移動させた。

オオカミが増えたことに恩恵を受けている生き物たちもいる。 ハイイログマやアメリカグマは、オオカミの獲物の残骸を頂戴することができる。 また白頭鷲やワタリガラスなども、オオカミたちの食べ残しの周りに集まってくる。

再導入以来オオカミたちの頭数は多少の増減はあるものの増え続け、2010年時点でイエローストーン国立公園に128頭のオオカミが生息している。



 

小さな業師    - テキサスツノトカゲ -

テキサスツノトカゲ

ツノトカゲの仲間は、今のところ北米の14種類が確認されている。 その中でも一番大きいものがテキサスツノトカゲ。 アメリカの中南部からメキシコ北部にかけて生息している。 身体の大きさは約6~11cm。

植物がまばらに点在する乾燥した地域に生息する。 テキサスツノトカゲは自分で巣穴を掘り、その中で体温調整をしたり卵を産んだり、また冬期(9月~5月)には冬眠をする。 テキサスツノトカゲの主な食べ物はクロナガアリ。 ときどき甲虫やバッタなどを捕えることもある。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

テキサスツノトカゲはコヨーテやオオカミなどの天敵から身を守る様々な方法を身につけている。 ひとつには体をペチャンコにつぶれたようにしてまったく動かないこと。 また、体の色を周囲と同じ色に変えて、見つかりにくくすることもできる。 さらに身体を丸くふくらませて、敵が自分の体を飲み込みにくくするという技ももっている。 そして、極めつけは、自分の目から敵をめがけて自らの血を噴射させ脅かす、という技。

どうだ!



 

大草原の小さなキツネ    - サン・ホアキン・キットギツネ -

キットギツネは身体の大きさがイエネコほどの小さなキツネ。 北アメリカにだけ生息している。 コロラド、ユタ、ネバダ、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサスなどアメリカ西南部の各州とメキシコ北部で観察されている。 また、キットギツネは棲む場所によって、サン・ホアキンとサバク、ミナミカリフォルニアの3種類に分かれている (1種のみとする場合もある)。

サン・ホアキン・キットギツネの故郷は北カリフォルニアのサン・ホアキン盆地。 夜になるとカンガルーネズミやワタオウサギ、トカゲ、ヘビ、昆虫などを狩りにでかける。 このキツネは他の動物が掘った穴を巣として使い、暑さや寒さから身を守る。 また、このような巣穴はコヨーテやフクロウなどの天敵から子ギツネを守ってくれる。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

サン・ホアキン・キットギツネの生息環境は低木地や草原、牧草地など。 でも、それらの自然環境は宅地や農地開発によって悪化しつつある。 サン・ホアキン・キットギツネは絶滅危惧種に指定されている。

サン・ホアキン・キットギツネ



 

忘れられない    - カリフォルニア・タイガーサラマンダー -

カリフォルニア・タイガーサラマンダー

カリフォルニア・タイガーサラマンダーは、体長がおよそ17~20cmほど。 主にカリフォルニア州のセントラル・バレーにいるほか、サンタ・バーバラ郡やソノマ郡にもわずかに分布している。 生息している場所は草原や山、丘のふもと付近。ほとんど陸上で暮らすカリフォルニア・タイガーサラマンダーだけど、実は両生類。だからその一生は水中生活と陸上生活の二段階に分かれる。 成長したサラマンダーは陸上でリスやゴーファー(ジリスの仲間)の古巣の洞穴のなかで多くの時間を過ごす。 ただ繁殖ためには水辺が必要になってくる。 なかでも春の一時期だけ現れる特殊な池は卵を食べる魚がいないためとても大切な繁殖地となる。 この池で卵からかえった幼生は水中で3~6ヶ月間過ごす。 その間は水生昆虫やおたまじゃくしなどを食べて成長する。 成体になると陸に上がり、昆虫や小さな魚などを捕まえて食べる。 成体の天敵はサギなどの鳥や魚、ウシガエルなど。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

現在、サンタ・バーバラ郡とソノマ郡では繁殖地に適した土地が減少しているためカリフォルニア・タイガーサラマンダーの個体数は安定していない。 そのうえ外来種のサラマンダーとカリフォルニア・タイガーサラマンダーの間のエサの奪い合いや交配による交雑種の誕生がその生息数の減少に拍車をかけている。



 

テネシーには音楽があって、ナッシュビルザリガニいる

ナッシュビルザリガニは、その名前のとおりテネシー州ナッシュビル近郊に棲んでいる。 このザリガニは世界中でここだけにしかいない。 だからこそこの小さな友だちはとても大切なんだ。

ナッシュビルザリガニはとれるものであれば動物も植物もどちらも食べる。 このザリガニは小川や池の底を器用に歩いたり、泳いだりできる。 生息地の池や小川の底は砂利や砂でおおわれていて、それらの石は日中の隠れ場所になる。 また、卵や幼いザリガニを守るメスの避難場所にもなる。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

ナッシュビルザリガニが生きていくには酸素をたくさん含んだきれいな水が必要だ。 このため生息地が狭い範囲に限られているナッシュビルザリガニは、化学物質の流出やそのほかの水質の汚れに対してとても弱くたちまち絶滅の危機にさらされてしまう。 さらに、生息地の環境を保護するために道路や橋の建設工事、小川の流れの調整や囲い込み工事などは慎重に行われなければならない。

ナッシュビルザリガニは絶滅危惧種だ。

ナッシュビルザリガニ



 

生息地を守れ - カナダヅル -

カナダヅル

カナダヅルは生息地が失われたおかげで、30年ほど前にはわずか30~35羽しか野生に残っていなかった。 しかし、その後ミシシッピ州のミシシッピカナダヅル保護区(Mississippi Sandhill Crane National Wildlife Refuge)で少しずつその数は増えている。 現在のところ約110羽が確認されており、これからもその数は増えていきそうだ。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

カナダヅルの保護でとても大切なことはウェットパインサバンナと呼ばれる生息地を守ることだ。 ウェットパインサバンナは特殊な自然環境をそなえた土地だ。 その土壌は表面が常に湿っていて、その上に低い灌木とまばらな樹木が生えている。 そこには、水生植物や種にくわえて、昆虫やザリガニ、カエル、ネズミなどカナダヅルにとってのごちそうがたくさんいるのだ。



 

プレーリードッグなしでは生きられない - クロアシイタチ -

クロアシイタチはプレーリードッグを狩る。 クロアシイタチは約50cm、プレーリードッグが約40cmだから体長はそれほどかわらないけど、鋭い歯と強力なアゴでしとめてしまう。

夜行性のクロアシイタチは、夜中巣の中で眠っているプレーリードッグを襲う。 でも、日中はクロアシイタチのほうが危ない。 コヨーテやアナグマ、タカ、ワシなどの天敵に狙われるからだ。 そういう時はプレーリードッグの巣穴がいい隠れ場所になる。 まさにプレーリードッグの群れのいないところではクロアシイタチは生き残れない。

トカゲ太郎 トカゲ太郎

かつて野生においてクロアシイタチは絶滅してしまった。 プレーリードッグの群れのいる草原がなくなってしまったからだ。 でも、1991年に始まった野生復帰に向けた取り組みが実を結び、クロアシイタチは復活しつつある。 現在、アメリカには野生と飼育下のものを合わせて約1000頭のクロアシイタチがいる。

クロアシイタチ



 

灼熱の砂漠に生きるカメ - サバクゴーファーガメ -

サバクゴーファーガメ

カメの仲間はさまざまなところに棲んでいる。 川や沼、湖などの淡水にいるカメや海の中にいるカメ、または河口や干潟など淡水と海水が混ざるところを好むカメもいる。 その中でも陸ガメは水から離れた場所で生きていける。

サバクゴーファーガメはカリフォルニア州やアリゾナ州、メキシコにまたがるソノラ砂漠やモハーヴェ砂漠のあたりに棲んでいる。 身体の大きさは約23~34cmで、甲羅の高さは約10~15cm。 サバクゴーファーガメの主な食べ物は草や花、果物など。 春の短い時期にそれらを食べて回る。 ときには砂や石も食べる。 塩やミネラルをとるためと考えられている。 砂漠は水がほとんどないけど、食べ物からじゅうぶん水分を吸収して身体の中に貯められるので1年間は水なしでも生きていける。 さらに灼熱(しゃくねつ)の高温にも耐えられる。 自分で砂を掘って深い巣穴を作り日中の暑さを避けられるからだ。 実際、サバクゴーファーガメは生活のほとんどを巣穴の中で過ごす。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

成長したサバクゴーファーガメに天敵はあまりいない。 でも、卵や若いカメはコヨーテやカラス、カッコウの仲間のオオミチバシリ、アメリカドクトカゲ、アカヒアリなどに食べられてしまう。 大人のカメも病気のほか、ペットにするための密猟や鉱山開発、牛や羊の放牧、自動車など人間の起こす危険にさらされている。

サバクゴーファーガメは野生で80年もしくはそれ以上生きると考えられている。厳しい砂漠の中でも生きのびるすごいカメだ。

サバクゴーファーガメを動画で見よう!

サバクゴーファーガメのぬりえはこちら





 

生き残ったアメリカアカオオカミ

昔は北米大陸に広く生息していたアメリカアカオオカミ。 でも、森林が少なくなったり、家畜を襲うことから駆除されたりして、その数はどんどん減ってしまった。 そして、1980年代までには野生にたった17頭ほどが残るのみになった。

そこで、合衆国魚類野生生物局は野生に残っていたすべてのアカオオカミを保護し、そのうちの14頭から飼育下で頭数を増やす試みを始めた。 そして、1987年までに4組のカップルをノースカロライナ州北東部にあるアリゲーター川国立野生動物保護区に放すことに成功した。 今では100頭から120頭のアカオオカミが野生に生息し、約207頭が飼育下で暮らしている。 それでも密猟やコヨーテとの交配で雑種化するなどの恐れがまだあることから絶滅の危機にある。

アカオオカミは世界中でノースカロライナにのみ生息している。 体長は約1.2m、体重は約20kgから36kg。 野生では約7~8年、飼育下では約15年は生きる。 野生ではネズミやノウサギ、シカなどを狩る。 また、増えすぎているアライグマやヌートリアも大好物だ。

トカゲ太郎 トカゲ太郎
アメリカアカオオカミ





 

ミジカバナヒョウトカゲ

ミジカバナヒョウトカゲ

ミジカバナヒョウトカゲは主にカリフォルニア州のサン・ホアキン谷に生息している。でもその数はとても減ってしまって、今では国際自然保護連合(IUCN)やアメリカで絶滅危惧種に指定されている。 原因は灌漑(かんがい)や農薬、都市開発などだ。

成長したオスの身体の大きさは約9~12cm(尾は含まず)、メスはオスより少し小さい。

トカゲ太郎

主に昆虫を食べるけど、ツノトカゲの仲間など他のトカゲも捕まえる。 基本的には口の中に入る小さな生き物は何でも食べてしまう。 ミジカバナヒョウトカゲはジリスやカンガルーネズミが掘った穴の中で暑さを避けたり、敵から身を守ったりしている。

カリフォルニアの谷間で静かにくらすミジカバナヒョウトカゲ。 そっとしておいてあげたい。 ちなみにナガハナヒョウトカゲもいる。





 

セミクジラの仲間たち

背中にヒレがなくて流線形の背中の線が美しいから背美クジラ

セミクジラの仲間は3種類。 セミクジラタイセイヨウセミクジラそれとミナミセミクジラ。 同じような身体つきをしているけどホッキョクセミクジラコセミクジラは別の仲間だ。

トカゲ太郎

セミクジラは北太平洋からオホーツク海にかけての沿岸に生息していて、その数は200から300頭ぐらいとされている。 タイセイヨウセミクジラは北大西洋に300頭ほど暮らしているようだ。 ミナミセミクジラは南半球の海に広く分布していて今でも約10000頭は生き残っている。

セミクジラの仲間の大きさは、体長が14~17m、体重が70トンにも達する。 セミクジラの仲間は歯の代わりにヒゲ板と呼ばれるものを口の中にもっている。 このヒゲ板でオキアミや動物性プランクトンを海水といっしょに呑み込んで濾し取って食べる。

セミクジラの仲間はシャチなどの外敵に尻尾を向けて子どもを守る。 寿命はだいだい50年以上とされているが、100年以上生きているものも中にはいて、はっきりとしたことはわかっていない。 セミクジラの仲間はいずれも絶滅の危機にさらされていて、大切にしたい生き物だ。

セミクジラ





 

掘れ掘れ ピグミーウサギ

ピグミーウサギ

ピグミーウサギは名前のとおり北アメリカで一番小さなウサギだ。 身体の大きさは23.5から29.5cm、体重は350から450gほど。 だいたい3年から5年生きる。 主な食べ物はヤマヨモギ(キク科の植物)。 ヤマヨモギは毒を含んでいて他の草食動物はほとんど食べないからピグミーウサギには好都合だ。 天敵はコヨーテやアメリカアナグマ、イイズナ、猛禽類など。

トカゲ太郎

生息地はアイダホ、オレゴン、カリフォルニア、ネバダ、モンタナ、ユタ、ワイオミング、ワシントンの各州にまたがるコロンビア盆地とそれを取り囲んでいる山間部地域。

残念なことにコロンビア盆地ピグミーウサギピグミーウサギの亜種)は、野生ですでに絶滅してしまった可能性が高い。 農地の拡大と開発(石油や天然ガス)などが主な原因と考えられている。 ヤマヨモギの草原が牧草地に変えられてしまったのではピグミーウサギは生き残れない。 加えて、生息地が分断されたことで遺伝子の多様性が失われてしまった。 これはさまざまな病気に対して免疫力が弱くなることを意味している。

ピグミーウサギは小さくてかわいいだけでなく、他にも面白い特徴をもっている。 北アメリカに棲む他の多くのウサギは、プレーリードッグやアメリカアナグマなどが掘った穴を再利用してくらしている。 これに対してピグミーウサギだけは自分で広い巣穴を掘って生活している。 がんばれピグミーウサギ





 

昼間も元気なジャガランディ

ライオンやトラは大きくて力強いから人気がある。 でも小さな野生ネコたちが注目されることはあまりない。 ジャガランディもそんな野生ネコだ。体長は65cm(尾を含まず)、体重は6kgで、イエネコより少し大きいぐらい。 頭は小さくて、てっぺんが平たくなっている。 ネコというよりイタチのような顔つきだ。身体の大きさに比べて尾は約45cmと長くて太い。

トカゲ太郎

身体の色は濃い灰色から茶色、赤茶色とさまざまある。 ふつう生息する場所が深い森の中になると身体の色は濃くなる。 生息地は雑木林や草原、森と草地の境目などで、小川近くにも姿を現す。 ジャガランディは他の野生のネコと違い昼間に行動し、水にも慣れている。獲物は、小動物や小鳥、爬虫類、魚など。

北アメリカの南部から中央アメリカ、南アメリカにかけて8種類のジャガランディがいる。 その中で北アメリカに生息している2種は、アリゾナ州のシナロアン・ジャガランディとテキサス州のガルフコースト・ジャガランディだ。 どちらもアメリカ合衆国では絶滅危惧種に指定されていて、野生で観察することはめったにできない。

ちなみに後ろにいるのは他の野生ネコ、オセロット

ジャガランディ





 

エバーグレーズタニシトビ -タニシ採りの名人-

ワイオミングヒキガエル

エバーグレーズタニシトビはタカの仲間。 体長は約45cm、羽を広げるとおよそ120cmになり、タカの仲間では中ぐらいの大きさだ。 フロリダの中部から南米にかけて生息している。 淡水の湿地帯や浅い湖の周辺が主な生息地。

トカゲ太郎

フロリダ州にいるスクミリンゴガイは、おとなの手のひらほどの大きさの巻貝の一種。 日本ではジャンボタニシとも呼ばれている。 タニシトビはこの巻貝を主に食べる。 タニシトビはカーブしたクチバシを上手に使って巻貝の中身をクルリと取り出してしまう。 稀に、小さいカメやザリガニ、魚などを食べることもあるけど、この巻貝がいないとタニシトビは困ってしまう。

エバーグレーズタニシトビはかなり広い範囲に生息しているけど、その数は大変少なくて、フロリダでは絶滅危惧種に指定されている。 定住し繁殖していくには水が不可欠。 でも、繁殖地であるフロリダ中央部から南部に広がる湿地帯は開発によって縮小と水質の悪化が進み、タニシトビにとって適した自然環境が次々と失われている。 だから、タニシトビをこれ以上減らさないために湿地の保護と水質管理がとても大切になってきた。 今は合衆国魚類野生生物局(U.S. Fish and Wildlife Service)や、各環境保護団体、ボランティアグループなどが湿地や河川の保護管理を進めている。





 

帰って来たワイオミングヒキガエル

ワイオミングヒキガエルは、卓球ボールほどの大きさ。 体長はわずか5.5cmほどだ。 生息するには背丈の低い植物や浅い水辺が必要なため、川や湖の周辺に広がる草原地帯を好む。 アリやコオロギなどの昆虫や、その他節足動物などを食べる。

トカゲ太郎

ワイオミングヒキガエルは絶滅したと思われていた。 ところが、1987年、漁師さんがワイオミング州の南東にあるモーテンソン湖に数匹生息しているのを発見。 早速、保護・繁殖活動が開始されることになった。 アメリカ合衆国魚類野生生物局が中心となり、セントルイス動物園やデトロイト動物園など各動物園が協力して保護繁殖計画は進められた。 こうして、今は施設において繁殖させたオタマジャクシや子供のカエル、そして成体となったカエルを、ワイオミング州の南東部にあるアルバニー地区のララミー川流域に放流している。

草に静かにとまるカワイイ蝶は、シェリダンズ・グリーン・ヘアーストリーク・バタフライCallophrys sheridani)。 2009年7月1日にワイオミングの州蝶に指定され大切にされている。

ワイオミングヒキガエル





 

スモールトゥース・ソーフィッシュを守らなきゃ!

スモールトゥース・ソーフィッシュ

スモールトゥース・ソーフィッシュは、ノコギリエイの一種。 ご先祖様は5600万年前に出現しているから、まさに「生きた化石」だ。 北アメリカではフロリダの沿岸に生息する。 水の流れが遅いところを好み、海底が泥で遠浅の海や入江、河口などを回遊している。 また淡水と海水の両方を行き来できる。 成長すると大きいもので体長が5.5メートルにもなる。 寿命は25~30年ほど。

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ノコギリで土を掘り起こしカニやエビ、二枚貝などを捕食する。 また小魚の群れに突進してノコギリを振り回し、魚を傷つけて食べてしまう。

他の魚と一緒に漁船の網にかかってしまったり、生息する海の環境が変わったりと、スモールトゥース・ソーフィッシュは受難だらけ。 また繁殖に時間がかかるため、現在絶滅の危機に瀕している。





 

むくむくのタフガイ

グラウンドホッグウッドチャックとも呼ばれる。 マーモットの一種。)は、北米大陸に広く生息している。 その範囲はアメリカの東部、中央部からカナダ、アラスカまで到る。 身体の大きさは40~65cmで重さは約6kg。 植物や花、木々の枝や果実、昆虫などを食べて過ごす。 天敵はキツネ、コヨーテ、ボブキャット、ピューマやクマなどの大型哺乳動物だ。 野生では10年、飼育だと20年以上生き延びたという記録がある。

岩の間や木の根っこなどの洞穴を棲みかとし、冬は冬眠する。 ところで、アメリカとカナダでは毎年2月2日がグラウンドホッグ・デーだ。 この日、巣穴から出てきたグラウンドホッグが、もし自分自身の影を見てびっくりしてしまったら冬が終わるまであと6週間。 もし影を見なかったら春の訪れが早い、と予測される。 有名なグラウンドホッグは、フィルウィリー。 フィルはペンシルバニア州のパンクサトーニーに、そしてウィリーはオンタリオ州のウィアートンで大切にされているよ。

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グラウンドホッグ





 

エバーグレーズの王者

アメリカアリゲーター

ミシシッピワニとも呼ばれるアメリカアリゲーターは、アメリカ合衆国の南東部に生息する。 かつては乱獲で数が激減し絶滅の危機にあったアリゲーターだけど、いまでは保護活動のおかげで生息数は回復し、安定している。 なかでもフロリダ州のエバーグレーズ国立公園は、河川や湖、湿地、沼地など、生息に適した条件がそろっていて、多くのアリゲーターが暮らしている。 食べ物の幅は広く、魚や亀、鳥など小さな生き物からアライグマやシカなど比較的大きな哺乳動物まで捕食する。 成長すると、オスは3~4メートル、454kg、メスはやや小型で2.5~3メートルになる。

メスは泥や小枝、葉などを集めて巣を作り、卵を産む。 外敵が巣に近づくと母ワニは卵を必死で守る。 また、卵が孵った後も母ワニは子ワニを2年間大切に育てる。

自然界において、成長したアメリカンアリゲーターは無敵。 でも、小さいうちはヘビ、鳥、ボブキャット、そして他のアリゲーターなど天敵だらけだ。

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