トカゲ太郎のワンダー・ワールド
神使
English

軟体動物もまた

「神使」の意味は文字通り神の使いだ。そして、動物や伝説の生き物がしばしば神使となる。神使になる生き物には、ほ乳類だけでなくは虫類や魚類、そして無脊椎動物まで含まれる。日本で最も古い文書である日本書紀に早くも神使の動物が登場する。最も有名な神使はキツネだ。秋、キツネは山から下りてきて穀物を荒らすネズミを食べてくれる。一方、山の神は秋になると里へと降りてきて収穫後、山へと帰っていくという民話も伝わっている。キツネが山の神のように行動することからキツネを人々が神使と信じるようになったようだ。

Oni
   鬼は悪魔のような存在だけれども、いつも災いだけをもたらすわけではなく、幸運も運んでくれる。日本の歴史の中で赤、青、黄の鬼がよく描かれていて、赤鬼は中でも頻繁に登場する。平野の少ない日本では山がいつも人々の生活のすぐ近くに存在した。山は恵みと災いの両方をもたらしたことから山のイメージが鬼へと変わった。
   鬼の武器は鉄でできた金砕棒だ。


龍は水の化身

神使となる動物は彫刻や絵に描かれて神社で信仰されている。また、ニホンジカやニホンザル、ヘビなどの神使の動物を実際に境内で飼っているところもある。伝説上の動物である龍や鳳凰をもまた信仰の対象になっている。ヘビは水神として崇められていて、身体のかたちが似ているところから龍もまた水の神として祀られている。

神々を助ける動物

タコは病気を治す能力のある動物と信じられていると同時に、龍の使いでもある。タコは学習したり、色を判断したりするなど驚くべき能力を持っているため、財産を運んで来てくれる動物と考えられた。この他、興味深い神使の海の生き物としてハマグリが挙げられる。オオクニヌシノミコトがひどい火傷を負った時、ハマグリの精霊ウムガイヒメとアカガイの精霊キサガイヒメが貝の粉を塗って治したという伝説がある。その時からハマグリには病気を治し、悪魔を退散させる不思議な力があると信じられるようになった。

昆虫も

坑道のかたちとムカデの姿が似ているからか、鉱夫はムカデを信仰するようになった。金細工師や彫金師もまたムカデの力を信じてきた。金属のようにキラキラ光るムカデの身体が、幸運をもたらしてくれると考えられたからだ。さらに、ムカデの足は足並みが乱れることなく動く。そして、侍もまた敵軍を倒すため隊列を崩さず前進し、決して後退しない。

だから、侍の中には味方の旗にムカデのデザインを描くものもいた。

Ox
   雄牛もその強さと農業に使われたことから神使の動物である。雄牛の頭をなでることで幸運がつかめると信じられている。島根の出雲大社において撮影。
God Okuni Nushi and a white rubbit
   オオクニヌシノミコトが白ウサギのひどい傷を治してあげたことは有名なお話。ウサギもまた神使となった。出雲大社にて。