トカゲ太郎のワンダー・ワールド
スミザーズ
野生動物保護センター
English


(訪問日 2007年8月2日)

野生動物保護センター (Northern Lights Wildlife Society)
http://www.wildlifeshelter.com

スミザーズは、ココ!

カナダのブリティッシュ・コロンビア州北部にある人口 5,400人余りの小さな町。 バンクーバーから飛行機で2時間ほどで行ける。 夏はハイキングや釣り、冬はスキー客でいつも賑わっている。

>ピーターさんが小屋に入ってリナの写真を撮ってくれました。

ピーターさんとアンジェリカさんご夫妻が管理、運営をしています。 現在収容中の野生動物は

 アメリカクロクマ 3頭 (小熊)
 グリズリーベア (ハイイロヒグマ) 1頭
 ヘラジカ 5頭
 オーストラリアフクロウ、ハイイロフクロウ  各1羽
 ピューマ 1頭
 リス、 モルモット それぞれ数匹
 その他

この施設の保護動物達は、非公開です。
その理由は、野生環境に戻すことが目的であるため、人間に慣れてしまうことを極力避けるためです。

ピューマ舎
35,000ドル(約350万円)をかけて作られました。金網や柱が6メートルも地中深くに埋め込まれた特別仕様。

施設の運営について

15年前にスタート。 のべて120頭の黒熊と50頭のヘラジカ、シカを保護し、野生に戻しています。 施設の運営はブリティシュ・コロンビア州政府によって許可されているものの、州政府からの運営費の援助は一切ありません。 そのため、二人の活動は私費と民間からの寄付によって支えられています。

動物達を野生にもどす事に関わる問題

アメリカクロクマ、ハイイロヒグマの保護と野生に戻す活動は、基本的に州政府によって禁止されています。 そのため、ここで行われている事は、肉食動物に関しては特別許可を受けた試験的な試みとなっています。 一口に野生に戻すと言っても簡単なことではない。

その理由は

その野生動物が元居た環境、または州政府が指定する場所の環境がが、すでに動物の野生生活に適さなくなっている場合が多い。
戻される場所が、農地などに近いことで、再び保護、または射殺されるケースがある。
ときにはセンターから5000キロも離れた場所へクマを移送する必要があり費用がかさむ。

この地方の森や山々から切り出された木々は材木となり、その一部が日本に輸出されています。 遠く離れたカナダの話なんだけど、実はわたしたちの生活と直接結びついている。


人見知りがはげしく、不安げな様子
おそるおそるこちらをのぞきこんでいる
近くまで来て、こちらを観察している。

保護動物達のいまとみらい

野生に戻される熊たちは、体にチップが埋め込まれていて、追跡が可能です。 これまでの記録では、ほとんどの熊が順調に新しい環境に適応し、新世代を生み出しています。 例えば、ケルモードベア(黒熊の仲間で、色が白い)という非常に珍しい熊が、自然に帰った後、野生環境の中で5頭の小熊を生みました。

ピューマ(クーガー)について

名前はリナ。 年齢は5歳。 4年前にペンティクトンで捕獲されました。 母親を森林火災で失って、最初は個人に引き取られていましたが、大きくなり育てられなくなって、このシェルターに来ました。 今は新しく建てられた獣舎で元気良く暮らしています。しかし、野生に戻すことは禁止されているため、未来は不透明です。

ムースについて

BC大学の専門家と、排泄物の成分を調べてムースの食物パターンと行動パターンの関係をつきとめる研究をおこなっている。 そうすることで、道路で車にはねられて死ぬムースを防ごうとするねらいです。

アライグマについて

4匹の兄弟と共にオンタリオから電車の貨物に乗ってやってきたトミー。 兄弟達は既に死んでいたが、トミーが保護された。 来年5月にプリンスジョージで野生に放される予定です。


コジカ
ムースより好奇心旺盛で、こちらに近寄ってきた。
保護されたコリスたちは、2~3時間ごとにエサを与えなければならない。 そのため夜通しの世話になる。
ムースのこども


ピーターさんの保護活動に対する考え方

BC政府は、肉食獣の保護と自然へ戻す活動に対して、基本的に反対しています。 その理由は、放された動物が人に危害を加えた場合、責任の所在がはっきりしなくなるから、ということです。 ピーターさんは、それでも人間と動物達との共生は可能であり、大切であると考えています。

熊の場合、生息地の確保が緊急であると同時に、熊が危険な害獣であるというイメージを生息地近くに住む人々から無くすことが大事だ、と考えています。 熊と人間との接触事故などは、ゴミの不適切な処置など、90%が人間側の問題によって起きています。

開発によって生息地の縮小が進んでいるものの、ピーターさんはそれが必ずしも悪いことだとは思ってません。 例えば、ゴルフ場建設などで、森林を伐採したとします。 そこに大きく広がったスペースができるおかげで、エルクなど、角の大きなシカ類はかえって繁殖が盛んになりました。 また、都市生活に慣れたフクロウなどもいて、人間を必要とする場合もあります。 つまり、動物の環境への適応能力は人間が考える以上にすごいものなのです。 しかし、それには時間がかかるだけなのです。

見慣れないトカゲ太郎がいるため、とても神経質になっている。

センターの今後の活動の広がり

ピーターさんとアンジェリカさんは、国際的な野生動物の保護活動にも貢献しています。 例えばロシアで行われた国際ヘラジカ会議や、メキシコでの国際熊会議に出席して、これまでの活動で得た知識と経験を発表しています。

クマよけ用の電気ショック
    野生のクロクマやハイイロヒグマが時々出没する。


最後にちょっといい話

冬のある日、ピーターさんがヘラジカの世話をしていると、野生のヘラジカが迷い込んできて、ピーターさんを襲いました。 転倒して身動きがとれないピーターさん。 そこへ、なんと世話をしていたミーシーが現れ、その野生のヘラジカを撃退。 ピーターさんは間一髪で命を救われました。

ピーターさんは昔ドイツの動物園で飼育係をしていた頃から、猛獣類が大好き。 (なんと、ライオンに殺されそうになった経験も・・・。)  だから、カナダの猛獣である熊には人一倍愛着がある。 しかし、せっかく世話をして野性に戻した熊は、冬眠をして一冬すごすと、それまでのことをすっかり忘れてしまうらしい。 ピーターさんは、それが野生での自然だから、それでもいいと言っていた。 「まさに、それが我々の望んでいることじゃない?」

お話をしてくださった
ピーター・ラングンさん


皆様からの援助が必要です。

詳しくは、ピーターさん、アンジェリカさんのホームページで。 国際小切手をスミザーズのお二人にお送りください。
または、トカゲ太郎に直接メールでご相談ください。

冬用のエサ
    夏の間にたくさん用意しておかないとけない。