トカゲ太郎のワンダー・ワールド
ヒゲの不思議
English

    


ある動物にとってヒゲは手や眼の替わりになる感覚器官だ。例えば、ネズミはヒゲを素早く動かして物の質感や形、場所を感知する。ヒゲはネズミにとって指そのものだ。


ヒゲは普通の毛ではない。他の毛と比べて太く、血液で神経とつながっている。これによってヒゲから受けた刺激が神経を通じて脳に伝えられる。筋肉もヒゲとつながっていて、動物の中にはヒゲの一本一本を自由に動かすことができるものもいる。



ネズミのヒゲの動きは俊敏すぎて人間の眼で観察することは不可能だ。


トラが草木の生い茂る森林の中を歩く回る時、ヒゲが眼や鼻を守ってくれる。

例えばネコの仲間はヒゲを前後に動かして獲物についての必要な情報を集めている。



ネコ科の動物は空気の流れや気温、風向などをヒゲで感知できる。ヒゲは空気の流れに合わせて振動するためネコ科の仲間は獲物の存在や大きさ、形を見たり触ったりすることなく判断できる。

水の中でも平気 (海生ほ乳類) 

海生ほ乳類もまたヒゲを発達させている。ゼニガタアザラシは鼻の部分に100本ほどのヒゲがある。一本のヒゲは約1500の神経とつながっていて、この数はネズミやネコのその数の10倍にもなる。ゼニガタアザラシは遠く離れた魚の位置をヒゲで知ることができる。ヒゲのお蔭で見通しが悪い濁った水の中でも魚が起こした水の乱れの痕をたどることもできる。



   水の中のゼニダカアザラシにとって、音もなく泳ぎ回る魚を視覚や聴覚だけで見つけることは困難だ。


マナティーの場合は顔だけでなく身体全体にヒゲがある。ヒゲの機能はまだ明らかではないものの、おそらくマナティーは泥で濁った水の中でもヒゲのお蔭で方向を迷うことなく泳げると考えられている。マナティーの脳の中で聴覚をつかさどる部分はヒゲのとらえた外からの刺激によって発達したようだ。そのためマナティーは低い波長の水の動きを捉えることができる。