トカゲ太郎のワンダー・ワールド
野生動物の戦い
English

 

角でガチンコ、オオツノヒツジ

オオツノヒツジ

トカゲ太郎
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オオツノヒツジはカナダ西部から北部メキシコにかけての山岳地帯に暮らしている。オスは大きな角を持っていて、秋にこの角を使ってオスどうしで闘いを繰り広げ、勝ったオスは繁殖の機会を得る。ただ、普段オスはオスだけの群れ中で暮らし、メスは他のメスと子ヒツジといっしょに群れをなしオスと分かれて暮らしている。

アメリカで発見されたペトログリフ(岩石や洞窟の壁面に刻まれた絵や文字、岩絵とも呼ばれる)にオオツノヒツジの姿が多く描かれている。なかには1万年以上前のものもあって、アメリカ大陸に初めて進出した人々がオオツノヒツジを狩っていたことを伺わせる。

英語では羊の呼び方がいろいろある

英語ではヒツジの呼び方が年齢や性別によって違う。ラム(Ram)は去勢されていない大人のオスのことで、去勢された大人のオスはウェザー(Wether)と呼ばれる。ラム(Lamb)は、子ヒツジまたは子ヒツジの肉のことを指す。大人のメスはユウ(Ewe)と呼ばれ、普通一年で一頭の子ヒツジを産む。

ヒツジの肉もまたマトン(Mutton)やホゲット(Hogget)のように違った呼び方がある。マトンはウェザーもしくはメスの肉のことで、ホゲットは1歳から2歳のオス、メス両方の肉のことをいう。ヒツジは最も早くから家畜化された動物だ。世界中で最も食べられているのは、ブタ、ニワトリ、ウシの肉だけれども、モンゴルやトルクメニスタン、アイスランド、ニュージーランドなどの国々ではヒツジの肉が多く食べられている。

 

肉食動物を狩る

肉食動物を狩る

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初期のヒト属であるハイデルベルグ人はライオンを狩って、食べていた可能性がある。スペインのシエラ・デ・アタプエルカで発見された化石を調べたところ、ハイデルベルグ人がヨーロッパ・ライオンの骨を砕いて、内臓を食べていたかもしれない証拠が見つかった。化石は30万年~35万年前のものだ。ただ、ハイデルベルグ人が仕留めていないことも考えられ、その場合は他の動物によって死に至ったか、もしくはすでに死んでいたものをハイデルベルグ人が見つけただけ、ということになる。とはいえ、他の動物がライオンを仕留めた場合、普通は内臓から食べ始めるためハイデルベルグ人が後からやって来た時にはすでに内臓の大半は無くなっていたはずだ。

ヨーロッパ・ライオンまたはホラアナライオンは現代のアフリカライオンよりも大型だ。その大型ライオンを狩ることは、ハイデルベルグ人にとって大きな危険を背負うことになる。おそらく初期のヒト属は、肉食動物を獲物として狩っていたことはあまりなかったと考えられるが、肉食動物とヒトが獲物をめぐって競争していたか、または肉食動物がヒトを獲物として捕食していた可能性はある。

今日、ケニア南部のマサイ族の人々はライオン狩りを伝統的に行っている。マサイ族の戦士は楯と槍だけでライオンに立ち向かい、その勇気を示さなければならない。ライオン狩りは厳しい儀式であるため、規則に則って行われる。ましてやスポーツ・ハンティングでは決してない。マサイ族の人々はサバンナの生態系におけるライオンの役割を十分認識しているのだ。

家畜を襲うものでなければ、普通、メスライオンを狩ることはない。ライオンは驚くほど賢いため、見通しの効かない灌木の中では人間に対して優位に立つ。このため開けた草原で戦士はライオンと戦う。狩りはいつも成功するわけではない。戦士が命を落とすこともありうる。だからこそライオンを倒した戦士に対しては、高い尊敬の念がはらわれ、その功績はコミュニティー全体によって一生を通じて讃えられる。彼はライオンのたて髪と尾をその勇気の印として与えられる。

 

狩りは始まった

狩りは始まった

トカゲ太郎
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現代人の起源はヒト属の一種にさかのぼる。先史時代のヒト属にはホモ・サピエンス以外にも多くのヒトの種類が存在していた。ヒト属の仲間たちはかつて繁栄を謳歌したものの、今にいたっては現代人を除くすべてのヒト属の種が絶滅してしまった。

今日、私たちは豆腐やキヌアなど植物由来のものからも十分なタンパク質を摂取できる。ところが、農業が始まる以前の古代においてヒト属の仲間たちはタンパク質獲得のため、狩りによって肉を得なければならなかった。大型獣から魚まで広範にわたる種の動物たちが様々な種類の道具によって捕まえられた。約40万年前ごろ、初期のヒト属は木製の槍を使っていた。その後、更新世中期、30万年前ごろにはネアンデルタール人が石を槍の穂先に使用するようになった。先史時代の狩りは日常生活の中の絶対的な必要性にもとづいて行われたことから、骨から皮まで動物の身体のあらゆる部分が消費された。現代においても、アフリカやアマゾンの一部の人々がこのような狩猟生活を行っている。

初期のヒト属の仲間はこん棒や弓矢、斧など、狩りのために効果的な様々な道具を考案した。通常、大型の獲物を倒す場合、協力して狩りをしたと考えられている。また、犬との協働が始まると、様々な狩猟の方法がとられるようになった。こうして初期のヒト属たちは人口を増やしていき、世界中にその生息域を広げた。しかしながら、オーストラリアや北アメリカなどの地域では、ヒト属たちによる狩猟が大型動物を絶滅に追いやる役割を果たしてしまった。

 

協働狩り     - スジアラ -

スジアラ

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スジアラの仲間はときどきウツボと一緒に狩りをする。スジアラは身体を震わせせてウツボにいっしょに狩りをしようと誘う。獲物になるタコやイセエビはたいてい岩の割れ目やサンゴの下に隠れているため、スジアラは追いかけて捕まえられない。スジアラは獲物が隠れている場所を見つけると、ここにいるよと、隠れ場所を鼻先で指し示しウツボが来るのを待つ。柔軟な身体をもつウツボはすき間に入っていって獲物を外に追い出す。けれども、開けた海中でウツボは素早く泳ぐことができないので、スジアラの出番となる。急速で泳ぐことができるスジアラがウツボに追い立てられた獲物を素早く捕まえてしまう。ウツボはナポレオン・フィッシュ(メガネモチノウオ)といっしょに狩りをするこ ともある。

スジアラの仲間の中にはタコと協働で狩りをするものもいる。タコがウツボの替わりになって獲物を隠れ場所から追い出すのだ。

 

二つの顎をもつ捕食者     - ドクウツボ -

ドクウツボ

トカゲ太郎
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ドクウツボはインド洋から太平洋にかけての海に暮らしている。昼間はサンゴ礁や岩の割れ目のあたりで隠れたり、泳いだりしている。身体の長さは3mほどにまで成長し、ウツボの仲間の中でも最大級だ。夜、狩りが始まる。魚やタコ、イセエビなどを捕食し、小型のウツボさえも食べてしまう。ドクウツボを含むウツボの仲間は2番目の顎がのどの奥にある(咽頭顎)。口で獲物を噛んだあと二番目の顎でのどの奥へ引きずりこむのだ。このように2つの顎をもつ動物はウツボだけだ。

ドクウツボは普段とても恥かしがりやでおとなしいが、怒らせると人間にも攻撃してくる。顎の力が非常に強いので、いったん食らいつかれたらなかなか引き離すことができない。加えて、身体の中に非常に強い毒性を持っているため、ドクウツボを普通のウツボと間違って食べると人間でも死ぬ可能性がある。

 

ジャバザ・ハットじゃないよ     - オニダルマオコゼ -

オニダルマオコゼ

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1200種以上の魚が毒をもっている。オニダルマオコゼはその中でも最も強い毒をもつ魚だ。世界中の暖かくて浅い海に生息している。サンゴ礁や岩場に暮らしていて、岩に自らの姿を似せてじっと獲物を待っている。獲物は小魚やエビ、カニなどの甲殻類だ。背びれにある毒は非常に強く、人間も死にいたらしめる。もしも多量の毒が身体の中に回ると、激痛や麻痺、細胞の壊死、などの症状が現れる。刺された場所は水で洗い、できるだけ早く解毒剤をうつ必要がある。

大きさは約40cm。ウロコをもっていないが、ぶ厚くデコボコした皮ふで覆われている。ウミヘビやカサゴのように毒を攻撃的に使うことはなく、もっぱら身体を守るために毒を持っている。だからオニダルマオコゼが人間を襲うことはなく、被害にあった人びとは誤って踏みつけてしまった場合が多い。とても巧妙にサンゴの間に身を隠しているので、慣れた眼でも見つけることは難しい。

背びれを取り除けば、食用として刺身や唐揚げなどに料理できる。

 

アフリカの足長野生ネコ     - サーバルキャット -

サーバルキャット

トカゲ太郎
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サーバルキャットは中央アフリカからアフリカ南部にかけて生息地を広げている。生息環境は草原や河畔林など。生息地内に水源を必要とするものの熱帯雨林や密林は避ける。体長(尾を含まない)は50~90cmほどで、オスの体重は約9~18kg。身体の大きさと比較してサーバルキャットの脚は他のどの野生のネコよりも長い。これによって俊敏に動け、獲物が隠れている草むらの中をよく見通すことができる。

夜に活発に動き出し、主にネズミ類を狩る。大きな耳は獲物がどこにいるのか正確に見つけることに役立つ。他にも様々な生き物を捕まえ、例えば鳥や野ウサギ、は虫類、カエルなどのほか、ガゼルやスプリングボックスなどもっと大型の動物もエサとする。サーバルはカラカルのように空中高くジャンプすることができる。垂直に約3mも跳躍して空中を舞う鳥を捕まえる。大型のネコにとって狩りは簡単ではない。その狩りの成功率は40%にも満たない。一方でサーバルはほとんどの狩りで獲物を仕留め、その成功の確率は50%以上だ。

生息数は減ってはいないものの、人口増加にともなう生息地の減少や毛皮目的のハンティングなど脅威はまだ続いている。

 

夏眠するワニ

夏眠するワニ

トカゲ太郎
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ナイルワニはアフリカで最もよく見られるクロコダイル科のワニだ。水辺における恐ろしい捕食者として知られ、近づくほとんどの動物を食べてしまう。エサが不足している時はライオンさえ襲う。他の動物から襲われることがほとんどない頂点捕食者だけど、乾季には川に水がなくなり、獲物もいなくなるなどして多くのものが死んでしまう。一方で身体を隠す水や泥がなくなった極限状態にうまく適応したものもいる。川に水がまだ残っている間に川岸に巣を掘っているのだ。加えてナイルワニは新陳代謝の速度を極端に抑えることでエサなしで数か月も生き延びることができる。さらに心拍数を下げることで呼吸や血流の機能も抑制できる。こうすることで身体に残った栄養分の消費を最小限に抑えられるのだ。加えてナイルワニの胃酸はセキツイ動物の中で最も強く、骨や角さえ消化してしまう。

アフリカのモーリタニアには砂漠の中に短い間だけ現れる湿地がある。信じられないことにそこにわずかながらナイルワニが生息している。周りに川や湖などの水源がなく、これらの短期的な湿地は時々降る雨だけで保たれている。乾季になると湿地は干上がってしまいワニたちは6~8か月もの長い間、洞穴や巣で夏眠する。夏眠の間食べることはなく、夜間の涼しい時間帯にときどき巣穴から出てくる。今まで地元の人々がワニに襲われた記録はないどころか、ワニを信仰の対象として大切に守っている。

 

虎に敵なし、でもドールは別

ドール

トカゲ太郎
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ドールまたはアカオオカミはインドに暮らしている。普段は森の中にいるけど、開けた草原にも姿を現す。リカオンのように群れをつくり狩りも群れで行う。ふつう獲物は中型の動物だけど、イノシシやスイギュウなどの怒らせると怖い相手も倒すことができる。

ドールの狩りは夜ではなく早朝行われる。狩りの際には獲物の動きを止めるため水場の方へ追いつめる。オオカミと違って、獲物を捕らえた時には子どもが優先的に食事にありつく。ドールはまた果物や野菜なども食べる。リカオンと同じように人を襲うことはない。

トラやヒョウもドールの縄張りに暮らしている。獲物の大きさが違うことからこれらの大型ネコと争うことはあまりない。もしそうなったとしてもドールは自分たちの獲物を守ることができるだけでなく、稀にではあるがトラさえも攻撃することがある。

 

鶏だって泣いている   - ニワトリのご先祖、セキショクヤケイ -

セキショクヤケイ

トカゲ太郎
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ニワトリと人間は約5000年間も共に暮らしている。ニワトリの先祖はおそらくセキショクヤケイと呼ばれる野鳥で、東南アジアや東アジア、南アジアの各地に生息していた。そう、ニワトリの先祖はかつてワシやガチョウと同じ野生の鳥だったのだ。しかも御先祖のセキショクヤケイは今もなお元の生息地やインド、その他の地域に暮らしている。

オスの大人のニワトリは雄鶏(オンドリ)、メスは雌鶏(メンドリ)と呼ばれる。人間が食べる肉や卵のためにニワトリは飼いならされた。特に鶏肉製品として繁殖し育てられたニワトリはブロイラーと呼ばれる。最近の50年間でブロイラーの体重は急速に増加した。一羽当たりから取れる肉の量を増やしたことが原因だ。そして、そのことがブロイラーの健康を害する結果につながった。重すぎる体重を二本の脚で支えきれなくなったからだ。劣悪な飼育施設の環境がブロイラーたちの免疫機能を低下させていることも問題となっている。ブロイラーだけでなく鶏卵採取用として育てられているニワトリもまた理想的な環境で育てられているとは言えない。

このような問題を解決するためヨーロッパ連合やアメリカは動物福祉のための規制を導入し始めている。

 

サメの衝撃

サメの衝撃

トカゲ太郎
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ほとんどのサメは成長が遅いため乱獲によって大きな打撃を受ける。例えば、アカシュモクザメは大人になるのに約16年かかるし、メジロザメは交尾ができるようになるまでおよそ25年もかかる。近年の研究結果によると世界中の海で約90%ものサメが激減したという。原因は無制限な漁業だ。

中国料理のフカヒレスープの食材として、サメはそのヒレだけのために獲られている。ほとんどの場合、船上でヒレを切り取られて身体は海へと投げ棄てられる。また、ほとんどのサメは経済的な価値が低いため、混獲された場合は海へと棄てられている

象徴的な事件がアメリカの北大西洋沿岸で起こった。ナルトビエイを捕食する多くの種類のサメが姿を消した後、ナルトビエイの生息数が爆発的に急増したのだ。そして、増えたナルトビエイはノースカロライナ周辺の湾内に棲むホタテ貝を食べ尽くしてしまった。その結果、100年間途切れることのなかった地域のホタテ漁は操業を中止せざる得なくなったのだ。ナルトビエイはホタテ貝だけでなく、カキやハマグリなどの貝類も食べまくる。海の生態系を維持するため頂点捕食者のサメの保護は欠かせないのだ。

ただ、サメの捕獲制限がサメの生息数の回復を保証するとは限らない。沿岸域はサメにとって幼少期を過ごす場であって、若いサメが十分成長するためにはそうした沿岸域の環境維持が求められるからだ。でも、沿岸域に多くの人が住むようになりサメの暮らす環境は劣化の一途をたどっている。

 

掃除の匠   ― ハゲワシ ―

ハゲワシ

トカゲ太郎
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ハゲワシは主に死肉を食べる。だから獲物を狩ることはめったにない。そのかわり動物の死骸を探したり、弱った動物が死ぬのを待ったりすることで食糧を得る。動物の死骸には数種のバクテリアがいて、死肉をあさる動物はこれらのバクテリアによって死んでしまうこともあるが、ハゲワシは平気だ。ハゲワシは強力な胃酸をもっているから、バクテリアなどに感染した死肉を食べても命の危険にさらされることはない。言い換えれば、もしもハゲワシがいなくなったら汚れた動物の死骸によって土壌の状態が悪化することを意味する。また、ネズミや野犬などの死肉をあさる小動物が増えることも考えられる。これらの小動物は狂犬病やイヌジステンパーなどに感染している場合が多く、それらの病気を回りの動物に広げる可能性が高い。ネズミの数が増えると人間の穀物生産にも被害が及ぶだろう。

ハゲワシは無償で自然の中で大切な仕事をしている。



 

赤い悪魔の侵略   ― フンボルトイカ ―

フンボルトイカ

トカゲ太郎
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フンボルトイカの昔の生息地は南アメリカの西海岸沖だった。ところが現在はその生息域を北に広げて、アラスカ沿岸までも進出している。北へ広がった正確な理由は分からないが、海の温暖化と魚の乱獲が疑われている。

サメやメカジキ,マカジキはフンボルトイカを捕食するが、それらの魚もまた乱獲されている。フンボルトイカ自身も恐ろしい捕食者で、群れで小魚を襲う。フンボルトイカは漁師に対しても攻撃してくるため、南アメリカの地元漁師からは「赤い悪魔」の異名で呼ばれている。

北への侵入はカリフォルニアの海の魚をめぐってフンボルトイカと漁師の間の争いを引き起こす可能性もある。フンボルトイカの脅威は攻撃性だけでなく、その大きさにもある。成長すると体長は約1.8mにもなり、体重は一年間で45kgにまで達する。寿命はおよそ一年だが、その旺盛な食欲はかなりの食糧を必要とするに違いない。フンボルトイカは普段、水深約200mから670mの深海を泳ぎ回っているためその全体の生息数や産卵の仕組みなどは今だに解明されていない。



 

哺乳類最大の赤ちゃん   ― シロナガスクジラ ―

シロナガスクジラ

トカゲ太郎
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シロナガスクジラのお母さんがオキアミをほおばっている。とても小さなオキアミはエビに似た甲殻類だ。地球上で最大の哺乳類であるシロナガスクジラは30mほどまで成長し、産まれたての赤ちゃんでさえ体長がすでに8mにも達する。体長が6mから8mになる大人のオスのシャチと比べてみても、シロナガスクジラの赤ちゃんがいかに大きいかが分かる。

その巨体にもかかわらず、小さなオキアミがシロナガスクジラの食事の大半を占める。一頭のシロナガスクジラが一日で呑み込んでしまうオキアミの量は4トンから6トン。一方でシロナガスクジラの赤ちゃんは6カ月の年齢に達するまでは、お母さんのお乳だけを飲んで暮らす。赤ちゃんは一日189リットルのお乳を飲み、毎日91kgも体重が増える。

耳の中を調べることでシロナガスクジラの年齢を測定することができる。その結果、シロナガスクジラは寿命が90年以上のかなり長生きのようだ。



 

恐ろしい巨鳥   ― ヒクイドリ ―

ヒクイドリ

巨鳥の中でもモアやエピオルニスなどはすでに絶滅してしまったけど、ダチョウやエミュー、ヒクイドリは現在でもまだ生き残っている。


トカゲ太郎
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ヒクイドリはインドネシアやパプアニューギニア、オーストラリアなどにある熱帯雨林に暮らしている。ダチョウやエミューに次いで世界で三番目に大きな鳥でその高さは約190cmもある。雑食ではあるけど、果物を主食にしている。その他に新芽や草、キノコなども食べる。さらに植物やキノコ類だけでなく昆虫やカタツムリ、カエル、トカゲなどもいただく。他の飛べない巨鳥のようにヒクイドリもまたオスが卵を温め、幼鳥を育てる。母鳥は3個から5個の卵を産んだ後、巣を離れる。その後約60日の間、父鳥だけで巣の中の卵を温めて、孵ったヒナを育てる。幼鳥と父鳥は巣を離れた後も約16カ月の間行動を共にし、父鳥は幼鳥を守りながらどの場所で、何を食べるのかなど生きるための術を幼鳥に教える。その後幼鳥は独り立ちしていく。

ヒクイドリは三つのつま先に鋭い爪をもっている。その爪で野犬やオオトカゲなどの敵に深刻な痛手を負わすことができる。

ヒクイドリは熱帯雨林の中で大切な役割を果たしている。ヒクイドリは様々な種類の果肉を食べるけど、種は食べない。ほとんどの種子は消化器官を通り抜けて、地面に排泄される。ヒクイドリに食べられないと種が成長できない果物もある。100種を超える植物がヒクイドリに果実を食べられることでより遠い場所に種子が運ばれていくのだ。



 

追跡開始!   ― リカオン ―

リカオン

アフリカン・ワイルドドッグまたはリカオンは5から20頭ほどの群れで暮らしている。 リカオンはチーターやハイイロオオカミと同じ走行性肉食獣だ。 走行性肉食獣は、かなりのスピードで長い距離を長時間走って獲物を追跡する。 さらに効果的に獲物を追いつめるため、仲間同士で声を使ってコミュニケーションをとる。 リカオンの狩りの成功率が90%近くになるのはこのためだ。


トカゲ太郎
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主な獲物はインパラやトムソンガゼル、スプリングボックなどの中型の草食動物。 リカオンの群れの大きさによってはシマウマやイボイノシシ、ヌーなどの大型の草食獣も仕留める。 ただ、人間の眼からするとその狩りの仕方はしばしば残酷に見える。 獲物の腹を裂いて内臓を引きずりだし、出血多量によって死をもたらすからだ。 とはいえこのやり方であれば、ライオンやチーターなどの狩りよりも獲物が早く死を迎えるからそれほど残酷とも言い難い。

リカオンは肉を子どもに分けるだけでなく、巣に残って子どもの世話をしてくれる老齢のリカオンや、病気やケガで弱った仲間にも分け与える。 天敵はライオンやブチハイエナなどの大型肉食獣で、これらはせっかくの獲物をリカオンから盗むだけでなく、ライオンなどは機会があれば群れ全体を襲って死にいたらしめる。

リカオンはまた、牧畜や農業を営む人々からは家畜を襲う動物として嫌われている。 さらに犬ジステンパーや狂犬病などの病気もリカオンの存続を脅かしている。

リカオンはアフリカの中央から南部のごく限られた地域に棲んでいる。



 

潜水トカゲ   ― ウミイグアナ ―

ウミイグアナ

トカゲ太郎
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地球上にはさまざまな海洋性爬虫類が、古生代のペルム紀から中生代の白亜紀まで多く棲んでいた。 でも現在はその数も種類も減って、わずかにウミガメ類、ウミヘビ類、イリエワニ、そしてウミイグアナだけになってしまった。 ウミイグアナは南米のエクアドルにあるガラパゴス諸島に暮らしている。

体長は大きいもので170cm、体重は1.5kgほど。 ウミイグアナの食べ物は海底の岩に付いた藻などだ。 ふだんは波打ち際の岩場や砂浜にいて、陽の光を浴びながら身体を温めている。 ウミイグアナの身体は海で暮らすことに適している。 水深15mぐらいまで潜れるが、だいたい4~5mの付近で15~20分ほど食事をする。 泳ぎももちろん得意なウミイグアナの胴体は他のイグアナと比べて魚のように細く、足の先の長いカギ爪でしっかりと岩をつかむことで速い海流にも流されない。 また身体の中から塩分を出す腺ももっている。

繁殖の時期になると大人のウミイグアナの身体の色はピンクやレンガ色、黒またはなどさまざまな緑に変化する。 ウミイグアナの天敵はサメだけど、最も恐ろしいのは気候の変動による寒さだ。



 

魅惑的な甘い香り、食虫植物にご用心

食虫植物

トカゲ太郎
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食虫植物は、昆虫やクモ、甲殻類、無脊椎動物などから栄養をとる。 時には小さなトカゲ、カエル、ネズミなども餌食になる。 これらの獲物を捕獲するために、食虫植物はおもに3つの技を持っている。

モウセンゴケなどの種類は粘りのある物質を葉の上にだす。 この粘りは砂糖のような香りがする。 匂いにつられてやってきた獲物はこの粘りにくっついてしまうのだ。 葉をツボのような形に発達させた食虫植物もいる。 ツボの中には甘い香りの蜜が溜まっていて、匂いにつられて獲物がうっかりツボの中に入ってしまう仕組み。 ウツボカズラはその代表的な植物だ。 ムジナモとハエトリグサは葉で獲物を挟んで捕え、10日ほどかけて捕えた獲物をゆっくり消化する。 野生のハエトリグサはアメリカのノースカロライナ州とサウスカロライナ州だけに分布している貴重な植物だ。 これらの食虫植物のほとんどが、色鮮やかな美しい葉をもっている。 色もまた獲物をひきつけるのかもしれない。

食虫植物は南極大陸を除く全ての大陸に分布している。 生息地の土壌に含まれる栄養が少ないため、捕えた獲物から栄養を補給するようになったと考えられている。 また、ふつうの植物と同じく光合成もするため日光と水も必要だ。 食虫植物の特徴の一つは、捕まえた獲物を消化するための特殊な酵素を持っていることだ。



 

ライオンたちの食事マナー - まずは心臓、それから肝臓、腎臓・・・

ライオンたちの食事マナー
トカゲ太郎
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ライオンが獲物をしとめたら、まず獲物の内臓からお食事が始まる。 最初に心臓を、次に肝臓、それから腎臓。 それが済んだら腸を食べるが、胃は残す。 次に後脚とお尻の辺りの肉を、最後に肋骨周辺と前半身の肉。 たいていは頭と脊椎骨は残す。 なぜライオンがこのような順序で食事を進めるのかはまだわかっていない。 獲物の身体の中でも内臓にはライオンにとって一番必要な栄養があるからなのかもしれない。

ブチハイエナはその頑丈なアゴと歯で、ライオンが食べ残した獲物の骨を噛み砕いて食べてしまう。 ジャッカルもまたライオンやハイエナが食べ残した残骸をエサとする。 残った死肉や腐肉はハゲワシやアフリカハゲコウのエサとなる。 さらに残った部分にはシデムシやニクバエがあつまり、やがて死体はきれいになくなってしまう。



 

取り組みは横綱級 - キタゾウアザラシ -

キタゾウアザラシ
トカゲ太郎
トカゲ太郎

キタゾウアザラシのオスは、激しく戦って主(ぬし)の座を勝ち取る。 主となったオスはハーレムと呼ばれる集団をもち、その中で複数のメスと交尾する。 でも、主への道はとても過酷だ。 オス同士の戦いはかなり激しく、中には命を落とすものもいる。

冬になるとオスは繁殖地である南カリフォルニアやメキシコ北部の海岸にやってくる。 戦いの後、そこへメスが到着し、一頭のオスを主とした一夫多妻のハーレムを形成する。 ハーレムには50~100頭のメスがいて、それぞれが前年からお腹の中で成長させてきた一頭の子供を出産する。 生まれたての赤ちゃんキタゾウアザラシの体長はわずか1.2m、体重はたったの35kg。

オスは成長すると体長4m、重さは2000kgにもなる。 それに比べるとメスは小さくて、体長は3m、体重は600kgほどだ。 キタゾウアザラシはイカのほか、オコゼやギンザメの仲間さらにはサメやエイなど様々な種類の魚を食べる。



 

冬眠があれば夏眠だってあるのだ - サバクハリネズミ -

サバクハリネズミ
トカゲ太郎
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高温で乾燥した環境に生息する生き物のなかには、夏眠をして厳しい暑さや乾燥から身を守るものがいる。 砂漠の気温が上がり獲物となる動物が乏しくなってきた時、サバクハリネズミは地下に作った穴や岩のくぼみで夏眠をする。 眠っている間は体温が下がって心臓の動きもゆっくりになり、体力を温存することができるのだ。 ヨーロッパに生息するハリネズミと違って、冬眠はしない。 砂漠はそこまで寒くならないからだ。

サバクハリネズミは夜の間に狩りをする。 主な食べ物は昆虫やサソリ、クモ、ヘビなどだ。 体の大きさは約14~28cmで、ハリネズミの仲間の中で一番小さい。 サハラ砂漠とアラビア半島に生息している。

サバクハリネズミ以外にもカタツムリの仲間や甲虫、カエルの仲間などに夏眠をする生き物がいるんだよ。



 

巨鳥は動かず - ハシビロコウ -

ハシビロコウ
トカゲ太郎
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ハシビロコウはスーダンからザンビアに広がる東アフリカの各地域に暮らしている。 生息地は沼や湿地など、水が豊かな場所だ。 ハシビロコウの狩りはは動かないでじっとしていることがとても大切だ。 体長が115~150cmととても長身だから、ちょっとでも動いたら獲物たちは、ハシビロコウの存在にすぐに気づいてしまう。 だから獲物が近くに寄ってくるのをじっとして辛抱強く待つのだ。

主な食べ物は、魚、カエル、カメ、そして幼少のワニなどの水生生物だ。 中でもプロトプテルス・アネクテンス(アフリカ・ハイギョ)はハシビロコウのお気に入り。 呼吸するために水面に上がってきた肺魚は、ハシビロコウにとって捕えやすい獲物なのだ。



 

深林の泥遊び - スマトラサイ -

スマトラサイ
トカゲ太郎
トカゲ太郎

スマトラサイはサイの仲間のなかで体の大きさが一番小さい。 とても珍しい動物で絶滅の危機に瀕している。 生息地はマレーシアやインドネシアなどにある熱帯雨林だ。 体長は2~3m、体重は600~950kg。 ほかのサイと違って、スマトラサイには赤茶色の体毛が生えている。 この体毛は、虫に刺されるのを防いだり暑い日に体温を下げたりする働きがある。 日中は泥浴びや水浴びをするのが大好き。 この行動も、体温を調整したり、皮膚を寄生虫から守る効果がある。

スマトラサイの主な食べ物は、マンゴステンやドリアンなどのフルーツのほか竹やユージェニアなどの植物。 また時には野生にある塩を舐めてスマトラサイにとって必要なミネラルをとる。

同じ自然環境にゾウやバクも暮らしている。 これらの大型哺乳動物たちが移動すると、そこにはけものみちが残る。 それは後からやってきたドール(アカオオカミ)やイノシシ、シカたちの通り道にもなるんだよ。



 

ヒグマ・イタリアーノ - マルシカヒグマ -

マルシカヒグマ

マルシカヒグマ (Ursus arctos marsicanus) はイタリアのアペニン山脈中部、中でもアブルッツォ国立公園に多く生息している。 ヒグマの仲間の中では、それほど大きいほうではなく、成長したオスの体長は1.9m、体重は130kgほど。 また、攻撃的でないヒグマで、普段の性格はとても落ち着いている。 国立公園に暮らす動物たちの中でも特に人気があるけど、生息地の減少や密猟などの犠牲となり現在の生息数はわずか50頭ほどと報告されている。

マルシカヒグマが生き残るには、かなり広い生息地が必要だ。 なぜなら食べ物の90%以上が植物と果実だから、たくさん食べないと栄養不足になってしまう。 また冬の寒い時期には眠りを邪魔されない静かな環境の冬眠場所も不可欠だ。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

マルシカヒグマは絶滅がとても心配されている絶滅危惧種だ。



 

なかなかいない - ミナミウミカワウソ -

ミナミウミカワウソ
トカゲ太郎
トカゲ太郎

生息地はペルー南部からアルゼンチンの北端にいたる南アメリカ西海岸。 だからミナミウミカワウソは海洋性の哺乳類。 だけど、ラッコではないよ。

体長は約1m、体重は4.5kgほど。 主に日中活動し、カニやエビ、軟体動物(タコ、貝など)などの食べ物を探しまわる。

ミナミウミカワウソはその毛皮のために密猟されたり、海岸付近が汚染されたりすることで生存の危機にさらされている。 またコンブを大量に収穫していることもミナミウミカワウソの生息数を減らすことに大きな影響をおよぼしている。 なぜならコンブはミナミウミカワウソが食べるカニやエビ、そのほかの海洋生物の大切な棲みかになっているからだ。

現在、このとても珍しい海のカワウソを守るため、専門家による生息数の確認やコンブの収穫がおよぼす影響について研究を行っている。



 

オオヒキガエルを食べないでね - フクロネコ -

フクロネコはオーストラリアとパプアニューギニアに暮らしている。 フクロネコの仲間は今のところ、パプアヒメフクロネコ、オグロフクロネコ、ヒガシフクロネコ、ヒメフクロネコ、ブロンズフクロネコ、オオフクロネコの6種が見つかっている。 この中で最も大きいオオフクロネコは体長が約35~75cm。

オオフクロネコとヒガシフクロネコは見た目がとてもよく似ている。 でも、オオフクロネコの特徴は身体から尾にかけてはん点があることで、ヒガシフクロネコには尾にはん点がない。

オオフクロネコはタスマニアデビルとならんでオーストラリア最大の肉食の有袋類だ。 獲物は昆虫やは虫類、小鳥、小型の哺乳類など。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

すべてのフクロネコは生息地の環境が悪くなったり、イエネコやキツネ、ディンゴなどの天敵に襲われたりするなど危機にひんしている。 さらに最近になってフクロネコが直面している深刻な問題はオオヒキガエルだ。 オオヒキガエルは体内に猛毒をもっていることからそれを食べたフクロネコはほとんどが死んでしまう。 このためヒメフクロネコなど絶滅の可能性が高いものにはオオヒキガエルを食べないようにする訓練が行われている。

フクロネコ



 

大人になったらピンク色 - アマゾンカワイルカ

アマゾンカワイルカ

子供のアマゾンカワイルカは灰色をしている。 成長すると全身がピンク色に変わる。 アマゾンカワイルカの特徴は色だけではない。 いくつかの優れた感覚器をそなえている。

ひとつはとても小さいけどすぐれた視力をもつ目だ。 また長く突き出た口先には硬い毛がはえていて、この毛が川底の泥の中からエサを見つけるのに大活躍する。 さらに水中で音波を発して濁った水の中でも方向を定めたりエサを探したりすることができる。

アマゾンカワイルカの前歯はエサをつかむのに適した形をしている。 一方、奥歯は獲物のカニや小さな亀の甲羅を砕いたり、すりつぶしたりするのに適している。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

さらに身体の形も川の生活に適している。 アマゾンカワイルカは比較的大きなヒレと尾をもっている一方、背びれはとても小さい。 だから川の浅いところでも自由自在に動けるんだよ。



 

ジャンプ!!  カラカル

カラカルはアフリカからサウジアラビア、イラン、アフガニスタンそしてパキスタン、インド北西部にかけて生息している。 暮らしている環境はステップやサバンナなどの乾燥した草原。 そこで、鳥やネズミ、野ウサギ、ハイラックスなどを狩って食べている。

体長は60から91cm、体重は6から19kg。 野生で12年、飼育下で17年ぐらいは生きる。 身体の大きさはそれほど大きくないけど、カラカルの秘めた運動能力はすごい。 ときには3mもジャンプして飛び立った鳥をしとめる。 また筋肉も発達していて自分より大きな獲物、例えばガゼルやインパラなどを倒すこともある。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

カラカルは他の野生のネコと違って人に慣れやすく、インドやイランでは鳥を狩るために飼われている。

カラカルを動画で見よう!
カラカル



 

小さな指に小さなつめ 世界で一番小さいお猿さん
-マダム・バース・ネズミキツネザル-

マダム・バース・ネズミキツネザル

マダム・バース・ネズミ・キツネザルはマダガスカル島の南部トリアラ州のメナベ地区にのみ生息している。 名前は長いけど今のところ世界最小の霊長類だ。 身体の大きさは9.2cm、体重はわずか30gしかない。

雑食だから果物や花などを食べるほか、虫の幼虫が作り出す糖分を含んだ液体もとっても大切な食糧だ。 夜に活発に行動し、昆虫やトカゲなどの小さな爬虫類もつかまえて食べる。 でも、天敵のジャコウネコやマングース、ヘビ、フクロウなども夜間に動き回るから危険と隣合わせだ。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

マダム・バース・ネズミキツネザルが気をつけなくてはならないのは、肉食の動物だけではない。 焼畑農業や違法な伐採によって生息地の森がなくなりつつあるからだ。

ところで霊長類の仲間は5本の指と丸い爪をもっている。 そして、器用に手を使ってものにつかまったり、握ったりできる。 また眼が正面を向いていて正確にものの位置をつかむことができる。

マダム・バース・ネズミキツネザルを動画で見よう!



 

北の豹 -アムールヒョウ-

ヒョウの仲間はアジアとアフリカに生息している。 ジャガーは毛皮の色が似ているけどヒョウではない。 今のところヒョウの仲間は、アフリカヒョウ、アムールヒョウ、アラビアヒョウ、インドヒョウ、インドシナヒョウ、ジャワヒョウ、キタシナヒョウ、ペルシャヒョウ、セイロンヒョウの九種類が確認されている。

この中でもアムールヒョウは、野生に30~45頭しかいない貴重なヒョウだ。 動物園などに飼育されているものも300頭程度といわれている。

数がとても少なくなった理由は、獲物がたくさんいる森が少なくなってしまったことや毛皮をとるための密猟、数が減って同じような遺伝子をもつものが増えたことなどだ。 (遺伝子が近いと子どもが障害をかかえたり、病気に弱かったりする)

生息しているところはロシア、中国、北朝鮮の国境が交わる朝鮮半島の大陸との境の地域。 オスの大きさは大きいもので体長が約2m、体重90kgぐらい。 メスはオスよりも少し小さい。 野生では約15年、飼育下では20年ほど生きるとされている。

アムールヒョウが棲んでいるところは冬とても寒くて、気温がマイナス56度ぐらいまで下がる。 獲物はシカやノウサギ、アナグマ、ネズミなど。 でも、冬の間は獲物を捕えるのがとてもむずかしい。 だから食べ残した獲物は木の上や岩の間に隠しておいてお腹が空いたらまた食べにくる。


アムールヒョウの写真は、ここをクリック!
アムールヒョウ
トカゲ太郎
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オーストラリアの幽霊 オーストラリアオオアラコウモリ

オーストラリアオオアラコウモリ

オーストラリア北部の洞窟や岩の割れ目、使われていない古い採掘場などに棲んでいる。 英語でゴースト・コウモリ(幽霊コウモリ)と呼ばれていて、夜になると身体の色が白くてぼんやりと見えるのでそのような名前がついたようだ。 身体の大きさは約10~12cm。 オーストラリアオオアラコウモリはかなり遠くの音も聴こえる大きな耳をもっていて、だいたい巣から1~2kmの範囲内で狩りをする。

トカゲ太郎
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昆虫を主に食べるけど、カエルやトカゲ、ネズミなども狩る。 時には他のコウモリまでも空中で捕まえてしまう。

彼らは巣のある洞窟などの環境の変化にとても弱く、そのため数が減っている。 再び鉱物を採掘することや洞窟ツアーなどがその原因と考えられている。



 

カバ 怒ると恐いぞ

世界にいるカバは、カバとコビトカバの2種類。 カバはアフリカのサハラ砂漠より南の地方に比較的多く生息している。 コビトカバの方は西アフリカのごく限られたところに棲んでいて絶滅が心配されている。 肉を目当てに狩りが行われるためといわれている。

さて、カバは見た目にのんびりしていて、おとなしそうに見えるけど。オスの大きいものは体長が約5メートル、体重約1.8トンもある巨漢だ。 陸の上でもすばやく、最高時速40キロ以上で走り抜ける。 人間よりずっと速い。 おまけにとても縄張り意識が強くて、アフリカで最も危険な動物に数えられているから、容易に近づくことは禁物。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

子どもを連れたカバは特に恐ろしい。 子カバを襲うナイルワニやライオン、ハイエナが近くにいるともう大変だ。 大人のカバの牙にかかったらライオンもひとたまりもない。 カバはまさに最強。

カバとライオン



 

フィリピンワシ 世界のオオワシ

フィリピンワシ

フィリピンワシはフィリピンのミンダナオ島とルソン島に生息している。 食べ物は、ヘビやマレージャコウネコ(パームシベット)、フィリピンヒヨケザル、サル、サイチョウなど。 世界で最も大きいワシの一種。 成鳥の身体の大きさは75から100cm、翼を広げた長さは約2mにも達する。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

低地から山地にかけての森林を主な棲みかとし、高さ30メートル以上もある巨木に巣を作って一年で一羽のヒナを育てる。 今のところ、わずか約200から500羽のフィリピンワシが野生に生息しているだけで、数は減り続けており最も絶滅の危険にさらされている。 その主な原因は、材木の切り出しや農地の拡大による森林の減少だ。

フィリピンでは人工的に数を増やす試みも始まっており。飼育下での繁殖はすでに成功している。 また生息地の一部地域の一部を保護区域にするなど、保護の取り組みがすすめられている。



 

ライオンいろいろ バーバリライオンかも

アフリカライオンやインドライオンは動物園で見かけるけど、ライオンにはもっといろいろな種類がいる。 今のところ16種類いるのではないかとされていて、そのうち4種はすでに絶滅してしまった。 この中で最も身体の小さいものはソマリライオンで、最も大きいものはケープライオン(1865年絶滅)とバーバリライオン(1922年絶滅)だ。

でも、不思議なことは起きる。動物園にバーバリライオンが生き残っていたのだ。 今では北アイルランドのベルファースト動物園やチェコ共和国のホドニン動物園など世界の動物園で100頭ほどが飼育されている。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

バーバリライオンの特徴は肩やお腹のあたりまで伸びている長くて黒いたてがみ。 体長は約3・5m、体重は230kg。 北アフリカのモロッコからエジプトにかけて生息していた。 草原ではなく山間部の森林に棲んでいたらしい。

バーバリライオン



 

複雑なカニクイザル

カニクイザル

カニクイザルの生息地は、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンなどの東南アジアの国々。 でも、元々はインドネシアとフィリピンに棲んでいた。 そのほかの国々には人の手で持ち込まれ、その地で繁殖したらしい。 そのため、例えば鳥など 地域固有の種をおびやかす存在になっている。 もちろんカニクイザルが悪いわけではないよ。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

ヒゲじいみたいなカニクイザルはカニだけ食べて生きているわけではありません。 果物や種を葉っぱ、根っこなどの他、トカゲやカエル、鳥の卵やヒナなどいろいろ食べます。 マングローブ林や川沿い、海岸近くに棲んでいるからカニやエビももちろん食べる。

普段は樹の上にいるけど地上に降りてきて人と触れあうことも多い。 でも、タイやインドネシアのボルネオ島ではカニクイザルは食べられている。 穀物を食べて農業に被害をもたらすからだ。 一方、同じくインドネシアのバリ島ではお寺に棲んでいて崇拝されている。



 

救おうタスマニアデビル

タスマニアデビルはオーストラリア東南にあるタスマニア島に生息する最大の肉食有袋類。 有袋類とはお腹に袋があってその中で子供を育てる動物のことで、オーストラリアには有袋類の仲間がたくさんいる。

最大といってもタスマニアデビルは大きいもので体長65cm、体重12kgほどで、その大きさは小型犬といっていい。 だけど咬む力は身体の割にとても強く、タスマニアデビルは小さなファイターだ。 食べ物はウォンバットやワラビー、オポッサムなどの有袋類に加えて爬虫類や昆虫など。 すばやい動きで狩りをするが、鋭い嗅覚で死体を探し当てて食べたりもする。 強力なアゴで骨まで砕いて食べるから死体は影も形も残らない。

今、タスマニアデビルは顔にできる原因不明のガンによってその数が激減している。 1996年に見つかったこの病気は、主にエサの奪い合いで噛みあうことで広がった伝染するガン(タスマニアデビルのみ)。 2009年にはタスマニアの60%以上の地域にまで広がり、約70%のタスマニアデビルがこの病気によって姿を消してしまったと考えられている。 このため動物園や保護団体は絶滅をさけるための緊急避難所を作ってタスマニアデビルを病気から守っている。 二世の誕生も含めると今は170頭ほどが飼われていて、将来は病気のない安全な地域に放される予定だ。 でも病気を予防したり治したりする薬や治療の方法はまだ見つかっていない。

タスマニアデビル
トカゲ太郎
トカゲ太郎



 

うさぎじゃないよ、ビルビーだよ

ビルビー

ビルビーはオーストラリア北部にあるタナミ砂漠やギブソン砂漠に棲んでいる。 でも、その数はとても少なくなっている。 生息地が荒らされたり、キツネやノラネコなどに襲われたりしたことがその原因だ。

大きさは30cm~50cm(しっぽを含まず)、重さは1kg~1.5kg。 食べ物は、植物の根っこやキノコ、昆虫やクモなど。 水のとても少ない砂漠でも食べ物から得られる水分だけでビルビーは十分暮せていける。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

昼間は2mぐらいの深さにある巣に中でじっとしている。 夜になって涼しくなったら行動はじめる 。ビルビーはオーストラリアの他の多くの動物と同じ有袋類(お腹に袋をもっている)の仲間だ。



 

森の土木技師 ビーバー

ビーバーにはアメリカ・ビーバー(カナダ・ビーバー)とヨーロッパ・ビーバーの2種類がいる。 おとなのアメリカ・ビーバーの体の大きさは約80cm、重さは約25kg。 寿命は15年から20年。 家族で生活し、食べ物はポプラやヤナギ、カエデなどの樹の皮や根っこ、新芽、水草、野イチゴなど。

ビーバーの生活の特徴は、なんといってもダムやロッジ(小屋)と呼ばれる家を作ること。 ダム作りの最初ビーバーは、まず小川をせき止めるため丸太を並べて立てる。 そのあと泥や石、葉っぱ、草などですき間をくまなく埋めていく。 ダムがしっかりできて水深が十分深くなると今度はロッジを作りだす。 ロッジはだいたいドーム型をしている。 冬眠をしないビーバー一家にとって材料となる木や葉、水草などは冬を乗り切るエサになる。 また、水の上にあるロッジは、ボブキャットやオオカミ、クーガーなどの天敵から守ってくれる。 ただ、壊れないようにいつも修理が必要で、木々を運ぶための運河までビーバーは作ってしまう。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

ビーバーが作った、ダムやロッジ、池、運河はさまざまな生き物たちに棲みかにもなる。 例えばカエルがロッジに卵を産んで、かえったオタマジャクシは敵から身を守れるし、ある程度育つまで食糧も得られる。 またサケやマスの稚魚にとっても同じようにすみ心地がいい。

ビーバー



 

夜更けのハンター、ジャガー

ジャガー

ジャングルにいるジャガーは驚くほど多くの種類の獲物を食べる。 カピパラやペッカリー、バクなどの大型の哺乳類からサルやナマケモノなどの小型の哺乳類まで捕まえる。 またアナコンダやカイマンなど大型爬虫類やカエル、ナマズ、カメなどの小さな生き物までどんどん食べる。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

狩りはほとんどが夜。ジャングルは樹木が生い茂っているからライオンやチーターのように獲物を追跡することは難しい。 このためジャガーは待ち伏せが得意だ。 体長は2mに満たないし、体重も最大で160kgほどのジャガーだけど、全身筋肉のそのパワーは計り知れない。 川や池の中で獲物を襲って殺し、その死体を陸に引き揚げて森の奥まで引きずっていく。 警戒心が強く開けた場所で獲物を食べるのを避けるためだ。

それにしても体重が40kg以上にもなるペカリーの死体を川の流れの中、難なく岸まで運ぶのだからジャガーはすごい。



 

ハナグマは知っている

ハナグマは、北アメリカの南西部、中央アメリカ、南アメリカに生息しているアライグマの仲間。 身体の大きさは約30cm~70cm(尾を含まず)、体重は約3kg~8kg。 メスと子どもは群れで行動し、多くなると20頭ほどになる。 2才以上のオスは交尾の時期以外は単独で過ごす。 寿命は7~8年。

アライグマと違って昼間に行動し、植物の生い茂った場所では長い尻尾が群れとはぐれないための目印になる。 食べ物は昆虫や果実のほかカエルやトカゲ、ネズミなど。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

ところでヒキガエルは敵がくると毒を背中から出して逃げようとする。 でもハナグマにはこの手は通用しない。 ハナグマは食べる前に足でふんで毒をヒキガエルの体からしぼり出してしまうからだ。

ハナグマ



 

悲しいヒヒ

アヌビスヒヒ

ヒヒの仲間は全部で5種類。 アヌビスヒヒはその中でも一番多く見られる。 アフリカの赤道近くのガボンやコンゴ民主共和国、ソマリアなどの国々に広く分布している。 草原や密林、砂漠など幅広い環境に適応できる。 身体の大きさは60cm~90cm、体重は20kg~40kg。 普段は20頭から50頭の群れで暮らしていている。 雑食で植物や果物から昆虫、トカゲ、鳥などなんでも食べる。 ときどきトムソンガゼルなどの大型の哺乳類群れで狩ることもある。 逆にヒョウやライオン、ワニなどに襲われる。 とても賢いお猿さんで人間とうまく共存できるけど、畑を荒らすなどの困った面もある。 病気や敵に襲われて死んだ子ザルの死体を母親は数日も抱いているぐらい親子の結びつきは固い。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

アヌビスヒヒの写真はここをクリック!



 

走れオオカミ、走るなワピチ

オスのワピチ(エルク)は、体長約2m、体重約300kgの巨漢。 ハイイロオオカミの大きなオスで、体長1.5m、体重60kgだからとても1頭のハイイロオオカミではワピチは倒せない。

狩りをする群れの数は2頭から20頭。 健康で元気なワピチはいくら群れでも近づくだけで逆にやられる。 でも深い雪の中をワピチが走って逃げだしたらチャンス。 どこまでも追いかけまわしてワピチが疲れ切ったところを襲う。

ワピチとハイイロオオカミは北米のロッキー山脈周辺に棲んでいる。 冬は極寒。 ワピチたちは樹の皮や小枝まで食べて生きのびようとするが、体力のない子どもや老いたワピチの多くは死ぬ。 余計なエネルギーを使わないですむからハイイロオオカミたちにとっては天の恵みだ。

トカゲ太郎
トカゲ太郎
ワピチ(エルク)



 

おー雄だった!!

マッコウクジラとダイオウホウズキイカ

マッコウクジラのオスは体長20mにもなり、歯をもつ哺乳類のなかで最も大きい。 海の中では無敵のシャチも襲うのはメスと子どものマッコウクジラで、オスは大きすぎるし、怒らせると怖いのだ。

トカゲ太郎
トカゲ太郎

マッコウクジラの大好物はダイオウホウズキイカ。この巨大なイカは、まだ大人になっていないものでも体長14m程になる。 マッコウクジラにとっても手強い相手だ。 吸盤には鉤ヅメついていて、マッコウクジラの皮には吸盤やツメの傷がたくさん残っている。



 

英語ではシュリュー(Shrew)といいます

トガリネズミはネズミのような体つきをしているけど、ネズミではないよ。 モグラに近い仲間だけどモグラでもない。 トガリネズミはトガリネズミの仲間なのだ。 とても小さい。大きいものでも14cm、小さいものだとわずか3cmしかない。 重さはだいたい1円玉2枚分ほどで、世界に生息している最小の哺乳動物だ。 主に昆虫を食べる。時々魚を食べたり自分の体よりも大きなネズミを食べるものもいる。

ミズトガリネズミ(Neomys fodiens) は、泳ぎの達人だ。視力が弱いかわりに、息を泡のようにたてて、はね返ってきた泡の匂いで獲物を探し出し、その距離や位置を察知する。 獲物をとらえたら毒のある唾液で獲物を麻痺(まひ)させてしまう。 陸に棲むトガリネズミにはコウモリのような超音波を発するものもいる。

日本に棲むトガリネズミの中でも有名なのがトウキョウトガリネズミ。 北海道にだけ生息しているのになぜかトウキョウ。 この名前の由来は、発見した研究者が蝦夷(Ezo)と江戸(Edo)を誤表記したためだ。 動物の名前の由来は面白いね。 絶滅の危機に瀕している希少種だ。

トガリネズミ